日記 猫の足音

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2004年06月08日

忠犬ハチ公

ニュースで忠犬ハチ公の特集をみた。
渋谷を歩くギャル系の子に、
レポーターが訊く。
「なぜあそこにハチ公像があるか、知っていますか?」
すると、
「えー?!なんでだろ、犬の原産地とかあ?」

原産地って…ハチ公は秋田犬である。
渋谷にはハチ公グッズがたくさんあり、売れている。
そして、ハチ公マークのソースというのが、
人気なのだとか。
でも知らない子もいるのか…有名な忠犬ハチ公物語。
映画もずいぶん前だったから、
しょうがないのだろう。

映画の「ハチ公物語」は、
テレビでチラッと観た程度だが、
とにかく可哀想でたまらなかった。
雨の日も雪の日もずっと待っていて、
しかも哀しげな表情だった。
ただただずっと待っているなんて、
犬は、なんて可哀想な生き物だと涙した。

猫ならそんなこと絶対にありえない。
帰りを待つことがあっても
せいぜい家の前くらいだし、
雨や雪の時は屋根の下に入る。
私がもし死んだ主人だったら、
雪の中で凍えられるより、
幸せでぬくぬく暮らしていてほしい。

忠犬ハチ公の年表を調べると面白い。
本名は「ハチ公」ではなく、ハチ。
ハチが待っていたご主人の上野博士は、
ハチとは1年4ヶ月しか暮らしていない。
その後ハチは、
事情があっていろいろな家に飼われながら、
10年以上渋谷駅で上野博士を待ち続けた。
時にはいじめられたり、ジャマにされたり、
よその犬に噛みつかれたり…、
そのため片耳が折れたままになった。
新聞に載ってからは皆に事情が伝わり、
とても可愛がられたそうだ。
ハチ公像は全国各地からの募金で建設された。
なんとハチは、昭和9年のハチ公像除幕式に
参加しているのだ。
ハチはすっかり人気者になった。
銅像が出来た1年後にフィラリアで死亡。
ハチの毛皮は剥製にされたが、
中身はちゃんと上野博士のお墓の傍らに葬られた。

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それはそうと、
そのニュースの特集を一緒に見ていた祖母が
横で呟いた。
「ハチ公、可愛かったわねー。ずっと待っていて」
えっ……!
私の中のハチ公は、歴史上の物語の犬だ。
桃太郎に出てくる犬とそう印象はかわらない。
しかし、祖母は当時千駄ヶ谷に住んでいて、
渋谷駅前にじっと待っているハチと
会ったことがある。

投稿者 mamiko : 23:36