2005年08月16日
針
コルク人形を作るとき、
待ち針や虫ピンをよく使用する。
そのままでは長過ぎるので、
針の先端をニッパーで2cmほど切る。
そこいらに飛んでいくと危ないので、
小さな瓶に針先を向けて切る。
その瓶の中には、
針金の短いのやら、カッターの刃先やら、
危険な物がギュウギュウに詰っている。
その瓶は「世にも危険な瓶」と呼んでいる。
小学生の頃に、
針が身体に刺さってしまった人の話を
たしか家庭科の先生に聞いた。
針は細くて血管に入り込み、
身体のあちこちがチクチク痛む。
血管に流されて、
最後に心臓に針が刺さって死ぬと。
ものすごく恐ろしい話だった。
針は落としては大変だ。
それからは、人の家だろうと、
針が落ちているのを発見したらすぐ拾った。
ところが先日仕事中に、
いつものようにパチンと切った針先が
勢い余って飛んでしまった。
2本まとめて切ったのがいけなかった。
シルク生地用の細目の虫ピンだった。
ステンレス製なので、磁石も使えない。
1本は机の上で見つかり、
「世にも危険な瓶」に収めた。
もう1本は、私の身体に当たって落ちた。
薄暗い机の下の絨毯を
目を凝らし手でなぞり探した。
けれどもどうしても見つからない。
仕事が終わってから数時間、
身体中のあちこちが
チクチクと痛んで困った。
投稿者 mamiko : 20:53