日記 猫の足音

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2004年02月15日

ドラえもん

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89歳の祖母がドラえもんを買ってきた。
慣れ親しんだ駅前の生活雑貨店が、
閉店するときに買ったそうだ。
陶器製の貯金箱でかなり大きい。
それがいつも食卓にどーんと置いてある。

祖母はドラえもんのマンガを
見たことも読んだこともなかった。
「ドラえもんて何なの?」
「未来から来たロボットで、
ポケットから便利な道具をいろいろ出してくれるのよ」
テレビの放送を一緒に見たが、
いまいち意味がわからなかった様子。
でもあの姿が可愛いと言う。

私は子供の頃夢中で『ドラえもん』を読んだ。
35巻くらいまでは読んだと思う。
一番欲しかったのは「暗記パン」。
皆さんは憶えているだろうか?
形は食パンの6枚切りの1枚くらいなもので、
覚えたいページなんかにペタッと乗せる。
するとパンにそのページがコピーされて、
それを食べると暗記出来ちゃうという優れもの。
勉強が嫌いで食パン好きの私は、
あれが欲しくて欲しくてたまらなかった。

ドラえもんのポケットには、
他にも欲しい物がたくさんあった。
そういえば、閉店した駅前の生活雑貨店にも
いろんなものがあった。
目覚まし時計、鏡、鍋、ポット、熊手、肥料、
スリッパ、釘、合い鍵......。
「ないものはない」というのが、
お店の売り文句だった。

一人暮らしの祖母は、
出かけるときに、寝る前に、
「ドラちゃん頼んだよ!」と、
ドラえもんの頭をぽんっと叩く。
留守番みたいなものらしい。

投稿者 mamiko : 01:27