日記 猫の足音

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2006年03月14日

夜明け前

3月だというのに粉雪が舞った。
深夜にアトリエで仕事していたが、
根気がなくなる。
寒くて、そして眠くてしょうがない。
「眠っちゃダメだー!凍死するぞっ!」
と顔をひっぱたく人もいないので、
「負け」と思いつつソファに倒れ込む。
午前5時。
膝掛け毛布の中に入ろうとするあまり、
足を抱えかなり小さく丸くなる。

すると何やらチクチク痛い。
2センチくらいの小さい深紅のトンボが、
集団で飛び回って攻撃してくる。
私の顔や腕や背中を噛む。
鬱陶しいので振り払うが、
蜂のようにブンブンと襲って来る。
ふと水槽に目をやると
ドジョウのおーちゃんが、
水面から手を出してトンボを捕まえた。
そのトンボだけはとても大きい。
おーちゃんは大喜びで、まるで猛獣のよう。
カブリと頭からかじりついている。
捕まえた両手は猫の手みたいだ。

母がこんな時間にアトリエに来訪。
そして折畳み椅子を3つ並べて寝転がる。
母も疲れているのか…。
クッションが無くて痛そう。
早く起きてソファーと毛布を貸してあげよう。

愛猫コゲの話しかける声。
薄目を開けるとコゲがすぐ近くの椅子で
こちらを見ていた。
母は来ていなかった。
おーちゃんも水中で静かに沈んでいる。
横になってから20分が経っていた。
ゴミを捨てに外へ出ると、
明るくなりかけの空に星がまだ出ていた。
Ocyan.jpg

投稿者 mamiko : 18:21