日記 猫の足音

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2007年04月03日

Ashes and Snow

nomadic.jpg
3月の暖かい日、
ハルミンさんとお台場に設置されている。
ノマディック美術館に行った。
グレゴリー・コルベール写真展Ashes and Snow
を観てきた。
暖かい春の日差しの中、
近隣には菜の花がたくさん咲いて、
陽射しできらきらゆれていた。

ノマディック美術館は、
この写真展のために立てられた移動美術館です。
(移動サーカスみたいな感じ)
外観はカラフルなコンテナがたくさん積んであり、
中は黒い大きなテントのようだった。
薄暗い中にセピア色の写真が浮かぶように並んで、
通路を造っていた。

nomadic2.jpg
ゾウ、クジラ、チーター、ワシ、チンパンジー…
動物と人との以心伝心な写真です。
本を開く少年とひざまづく大きなゾウ。
白い布をまとって踊る女性と大きなワシ。
ハルミンさんと私はゾウの大きさに驚いたり、
人と動物の距離に驚いたりしながら進んだ。

奥にはゆったりスローモーションの映像。
スクリーン前の不揃いな大きさの円柱に腰掛け、
チンパンジーと女の人の
濃密な恋人のような時間を眺めた。
頭の上にミーアキャットを乗せている少女。
映像にワニも出てきたが、
ワニはさすがに人と以心伝心してなかった。
あれは近付いたら食い殺される、きっと。
クジラと一緒に泳ぐ水中ダンサーは、
クジラより息継ぎしないで水中にいた。
砂漠で寄り添うチーターと裸の少年やおばあさん。
眠っている少年をまたいでいくチーター。
私はこのチーターたちに釘付けになった。

十代の頃、
私はライオンと暮らしたいと思っていた。
ライオンのお腹を枕にして眠りたかった。
強くて大きな百獣の王。
動物園でもライオンの檻の前に長く居たりしてみた。
しかしライオンはぐうたらと寝てばかりで、
私の気持ちも次第に冷めた。

今回の展覧会を観て、
忘れていたそんな思いが蘇った。
ライオンからチーターに心変わりして。
しなやかな身体に美しい水玉模様の毛並み。
黒いまつげにしっかりした鼻筋。
頬には特徴であるデビルマンのようなライン。
黄金の瞳で遠くをじっと眺めている。
悠然と歩いてきて、私の横に座る。
長い長いしっぽが私の足に巻き付いて、
ほんのり体温が伝わる。
チーターと私は対等なのだ。
そしてとても信頼しあっている。
いいなあ…。

投稿者 mamiko : 18:31