日記 猫の足音

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2007年08月20日

内股

私は生まれつきの内股。
小さい頃はよく、
私の右足に私の左足がつまずいて転んだ。
自分につまずくって、
なんだか根本的にダメな気がする。
今では自分につまずくことはなくなったが、
時折横断歩道の白線につまずく。
どれだけ地面すれすれを歩いているのだ。

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koge_utimata2.jpg
転がっているコゲの足が内股で可愛い。
コゲは歩く時は外股。

投稿者 mamiko : 19:14

2007年08月19日

金曜日の浮遊

何年か前、一人で銀座の古い映画館に行った。
少しエッチなシーンで隣の席の男の人が、
私の足に手を乗せた。
すぐにその手を思い切り振り払い、
席を立って移動した。
あまりに頭にきたせいで、
その映画のタイトルも内容もまるで憶えていない。

数年ぶりに一人で映画を観た。
新しい映画館の椅子はフカフカで、
画面に対して傾斜の角度もいい感じ。
映画が面白かったし、
声をあげて笑ったおかげで、トラウマも解消。

水槽のフィルターととても軽いスカートを買い、
ロールケーキを食べ珈琲を飲んだ。
なんとなくすぐ帰るのがもったいなくて、
夜まで何時間も渋谷の街を彷徨い続けた。
足に靴擦れの水ぶくれができた。
(映画は「キサラギ」を観ました)

kogemugi2shot.jpg
お留守番が長びくと猫たちは、
帰宅時にニャアニャア文句を言う。

投稿者 mamiko : 00:56

2007年08月01日

祖母の誕生日

「おばあちゃんのお誕生日いつ?」
幼い私が訊いた。
「私、歳とるの嫌いなのよ」と祖母は答え、
結局誕生日を教えてくれなかった。
お誕生日は楽しいもの、
プレゼントがあったり、ケーキがあったり、
という考えを見事に打ち砕かれた。
周りの人のお誕生日をインプットするのが
流行っていた頃の印象的な出来事。

「おばあちゃん、私結婚が決まった」
と報告しに行った時、
「真美ちゃん、結婚は人生の墓場よ」
と返ってきたのもかなり印象深い出来事だった。
横で複雑な表情のおじいちゃんの顔も…。

いつもおばあちゃんの言葉は予測不可能で
びっくりさせられた。
それらは一見鋭い言葉なのだけれど、
特に私を傷つける事なく強く記憶に刻まれた。

その祖母が昨晩他界した。
誕生日の数時間前に。
94年と364日の人生。
やっぱり歳とるのが嫌いだったんだね。

投稿者 mamiko : 22:29

2007年06月19日

ロシアンルーレット

思い立ってピアスを開けた。
今月は仕事で籠っている日が多いから、
そういう日程の時の方がいいかなと思って。

買ってきた専用の器具は、
凹みに耳たぶをはさみ、
ピストルの引き金のようなものをカシャンと引く。
中に樹脂製の筒ピアスが仕込まれていて、
カシャンの時だけ筒の中を金属針が一緒に通り、
金属針が直接肌に触れない仕組み。
針は結構太い…。

もっと簡単だと思っていた。
……ロシアンルーレット気分でした。
いや、あれと違って、
必ず玉(針)が出るわけなのですが。
深呼吸して…引き金が引けない。
…というのを数回繰り返してから、
やっとカシャンッ!
こんなに勇気がいるとは思わなかった。
こんなに痛いものとも思ってなかった。
痛いからもう片方の耳は、更に恐怖。
躊躇したせいで一気にトンネル開通できず、
泣きそうになりながらもう一度引き金を引いた。

何とか無事に開通したものの、
左右の穴の位置がずれた。
でも自分ほどこの穴の位置をじっくり見る人は
多分居ないだろうから、これで良しとする。
(もうやりたくない)
よく見ると、左右の耳たぶの大きさが違う。
だから同じ位置なんてきっと無理なのだ。

それにしても、耳って変な形してる。
手や足の指なんかもじっくり見ていると、
なんとも気持ち悪いものに見えてきます。
人間の形って気持ち悪い…。

猫の耳や手は、いくら眺めても可愛いのになー。
mugi_koutoubu.jpg

投稿者 mamiko : 14:22

2007年04月13日

他人のそら似

一週間前に会ったばかりの友人からメール。
私にそっっっくりな人と会ったと。
そっくりの「っ」が3つも入っていたので、
かなりのそっくり度なのだろう。

学生時代にお茶の水の街を歩いていたら、
「○○ちゃん、どうしたのー?」と、
知らない人に声をかけられた。
その人は至近距離で私の顔を見ているのに、
間違えたことに気付かない。
私が戸惑っていることにイライラしている。
イライラされても私にとっては知らない人なので、
「あのー、どなたかとお間違いじゃないですか?」
というと、その人はきょとんとして、
「あれ?え?…ごめんなさい」と去って行った。
そうとう似ているらしい。
至近距離でも間違える程のそっくりな人。
そんなに似ている人が居るのかと、
複雑な気分になった。

女性誌の髪型特集。
街で見かけた女性がコマ割りでたくさん並ぶ中、
ふと目を止めた気になる顔。
顔の口元を手で隠すとまるで私だ。
部分的に酷似。
しばらく会っていない人なら間違うかも。

私が学生時代にお茶の水で間違われた人は、
今も似ているだろうか?
昨日友人が会った人と、
その人は同じ人だろうか?
会いたいような、会いたくないような。

私とそっくりな人。
その人も背が低いのだろうか?
それとも顔だけ似ていて背は高いだろうか?
服装は似ているのだろうか?
私にしては派手だったりするだろうか?
声は?
性格は?
食べ物の好みは?
その人のお父さんと私の父は似ているだろうか?
その人も私と間違えられた事があるだろうか?
知りたいような知りたくないような。

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投稿者 mamiko : 20:18

2007年04月03日

Ashes and Snow

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3月の暖かい日、
ハルミンさんとお台場に設置されている。
ノマディック美術館に行った。
グレゴリー・コルベール写真展Ashes and Snow
を観てきた。
暖かい春の日差しの中、
近隣には菜の花がたくさん咲いて、
陽射しできらきらゆれていた。

ノマディック美術館は、
この写真展のために立てられた移動美術館です。
(移動サーカスみたいな感じ)
外観はカラフルなコンテナがたくさん積んであり、
中は黒い大きなテントのようだった。
薄暗い中にセピア色の写真が浮かぶように並んで、
通路を造っていた。

nomadic2.jpg
ゾウ、クジラ、チーター、ワシ、チンパンジー…
動物と人との以心伝心な写真です。
本を開く少年とひざまづく大きなゾウ。
白い布をまとって踊る女性と大きなワシ。
ハルミンさんと私はゾウの大きさに驚いたり、
人と動物の距離に驚いたりしながら進んだ。

奥にはゆったりスローモーションの映像。
スクリーン前の不揃いな大きさの円柱に腰掛け、
チンパンジーと女の人の
濃密な恋人のような時間を眺めた。
頭の上にミーアキャットを乗せている少女。
映像にワニも出てきたが、
ワニはさすがに人と以心伝心してなかった。
あれは近付いたら食い殺される、きっと。
クジラと一緒に泳ぐ水中ダンサーは、
クジラより息継ぎしないで水中にいた。
砂漠で寄り添うチーターと裸の少年やおばあさん。
眠っている少年をまたいでいくチーター。
私はこのチーターたちに釘付けになった。

十代の頃、
私はライオンと暮らしたいと思っていた。
ライオンのお腹を枕にして眠りたかった。
強くて大きな百獣の王。
動物園でもライオンの檻の前に長く居たりしてみた。
しかしライオンはぐうたらと寝てばかりで、
私の気持ちも次第に冷めた。

今回の展覧会を観て、
忘れていたそんな思いが蘇った。
ライオンからチーターに心変わりして。
しなやかな身体に美しい水玉模様の毛並み。
黒いまつげにしっかりした鼻筋。
頬には特徴であるデビルマンのようなライン。
黄金の瞳で遠くをじっと眺めている。
悠然と歩いてきて、私の横に座る。
長い長いしっぽが私の足に巻き付いて、
ほんのり体温が伝わる。
チーターと私は対等なのだ。
そしてとても信頼しあっている。
いいなあ…。

投稿者 mamiko : 18:31

2006年12月11日

開眼?

glass.jpg
赤、青、水色、緑、グレイの5個のグラスを買った。
宅配便のダンボール箱を開けると、
それらは1個1個、
新聞紙とプチプチに丁寧に包まれていした。
あんまりきちんと包装されているので、
外からだと全く何色か見えない。
そこでふと、色当てゲームを思いついた。
包まれたままのグラスを手に持って、
5色の中から思い浮かべてみた。

1個目を手に持った。
「これは赤」と思った。
開けてみるとなんと赤いグラスで、
見事に当たり!

気を良くして、次のグラスを手に持った。
「うーん、これは緑」。
開けると緑のグラスが出てきた。
おおっ!

次のグラスはグレイかな?
手に持ったら「いや、これは青」と頭に浮かんだ。
開けると青いグラスが出てきた。
…ちょっと怖くなってきた。

つ、次!
手に持ったら「水色」と浮かんだ。
開けるとやはり水色が!
というわけで最後が「グレイ」。

最後は当たって当然なのだけど、
5個のグラスの色を全て当ててしまった。
だから何ってこともないのだけど、
これってすごくないだろうか?
特殊能力が開眼したのではないだろうか?
誰も居ないときだったことがちょっと悔やしい。

とりあえず、
「年末ジャンボ宝くじ」でも買ってみよう。

投稿者 mamiko : 08:06

2006年03月14日

夜明け前

3月だというのに粉雪が舞った。
深夜にアトリエで仕事していたが、
根気がなくなる。
寒くて、そして眠くてしょうがない。
「眠っちゃダメだー!凍死するぞっ!」
と顔をひっぱたく人もいないので、
「負け」と思いつつソファに倒れ込む。
午前5時。
膝掛け毛布の中に入ろうとするあまり、
足を抱えかなり小さく丸くなる。

すると何やらチクチク痛い。
2センチくらいの小さい深紅のトンボが、
集団で飛び回って攻撃してくる。
私の顔や腕や背中を噛む。
鬱陶しいので振り払うが、
蜂のようにブンブンと襲って来る。
ふと水槽に目をやると
ドジョウのおーちゃんが、
水面から手を出してトンボを捕まえた。
そのトンボだけはとても大きい。
おーちゃんは大喜びで、まるで猛獣のよう。
カブリと頭からかじりついている。
捕まえた両手は猫の手みたいだ。

母がこんな時間にアトリエに来訪。
そして折畳み椅子を3つ並べて寝転がる。
母も疲れているのか…。
クッションが無くて痛そう。
早く起きてソファーと毛布を貸してあげよう。

愛猫コゲの話しかける声。
薄目を開けるとコゲがすぐ近くの椅子で
こちらを見ていた。
母は来ていなかった。
おーちゃんも水中で静かに沈んでいる。
横になってから20分が経っていた。
ゴミを捨てに外へ出ると、
明るくなりかけの空に星がまだ出ていた。
Ocyan.jpg

投稿者 mamiko : 18:21

2006年01月02日

かくれんぼ

koge_kakurenbo.jpg
コゲが居ないなあと思ったら、
カーテンの隙間に居た。

私は子供の頃、
かくれんぼが得意だった。
小柄なので植え込みに隠れたり、
小学校の裏の灰置き場
(焼却炉の灰を捨てる小屋)の屋根上に
塀を蔦って登ったり、
いろんな隙間に隠れて、
大抵オニに見つかりませんでした。
あまりに見つからないので寂しくなって、
よく自分から出て行きました。

2006年になりました。
ちゃんと寒いですね、この冬は。
ヨーロッパでも大寒波とか。
地球が温暖化を少し元に戻そうと
頑張っているのでしょうか?
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 mamiko : 16:04

2005年08月16日

コルク人形を作るとき、
待ち針や虫ピンをよく使用する。
そのままでは長過ぎるので、
針の先端をニッパーで2cmほど切る。
そこいらに飛んでいくと危ないので、
小さな瓶に針先を向けて切る。
その瓶の中には、
針金の短いのやら、カッターの刃先やら、
危険な物がギュウギュウに詰っている。
その瓶は「世にも危険な瓶」と呼んでいる。
kikenbin.jpg

小学生の頃に、
針が身体に刺さってしまった人の話を
たしか家庭科の先生に聞いた。
針は細くて血管に入り込み、
身体のあちこちがチクチク痛む。
血管に流されて、
最後に心臓に針が刺さって死ぬと。

ものすごく恐ろしい話だった。
針は落としては大変だ。
それからは、人の家だろうと、
針が落ちているのを発見したらすぐ拾った。

ところが先日仕事中に、
いつものようにパチンと切った針先が
勢い余って飛んでしまった。
2本まとめて切ったのがいけなかった。
シルク生地用の細目の虫ピンだった。
ステンレス製なので、磁石も使えない。
1本は机の上で見つかり、
「世にも危険な瓶」に収めた。
もう1本は、私の身体に当たって落ちた。
薄暗い机の下の絨毯を
目を凝らし手でなぞり探した。
けれどもどうしても見つからない。

仕事が終わってから数時間、
身体中のあちこちが
チクチクと痛んで困った。

投稿者 mamiko : 20:53

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