日記 猫の足音

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2014年09月10日

ペットショップにいくまえに展 2014

ex_petikumae2014.jpg
9月25日(木)〜10月13日(月)
西荻窪 URESICA
会期中、火曜休み open:12時〜20時

【参加作家】
石黒亜矢子 …絵
大サワ工房 …フェルト
片岡まみこ …版画、コルク人形
くまあやこ …版画
サノアイ …木工
杉浦さやか …絵
スドウピウ …絵・陶
ちえちひろ …陶
どいかや …絵
土井朋子 …ガラス
とりごえまり …絵
早川純子 …版画
ヒグチユウコ …絵
本濃研太 …段ボール彫刻
町田尚子 …絵

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私の猫歴は10歳から。
最初の猫は三毛猫の風ちゃんだった。
ある日うちの庭にふうっとやってきて、
一回ねこまんまをあげたら何日も庭に滞在した。
「私、ここに決めたわ」と。
美人で賢くて、優しいお姉さんみたいな猫だった。

その後の長い月日が流れ24匹の猫と出会った。
もっと出会ったり看取ったりもしているけど、
名前をつけて撫でたり一緒に暮らしたりしたのは、
24匹…だと思う。
だいたい猫の方からやってくる。
もらって来た子は3匹だけ。
井の頭公園に捨てられていた子。
保健所から引き取った子。
里親サイトに載っていた子。

今はコゲとムギがそばにいてくれる。
実家にもなっちゃんがいる。
あと死ぬまでに、
何匹の猫を幸せにできるかな?
mami&fuko.jpg
10歳の夏、風ちゃんと

投稿者 mamiko : 20:52

2009年12月31日

イヴの会合と遠回りの記憶

今年はしっかりクリスマスイヴに、
鶏の丸焼きやクリスマスケーキを食べた。
毎年恒例の集まりだが、
なぜか「クリスマスパーティ」とも
「忘年会」とも呼ばず、
「鶏の丸焼き大会」などと呼んでいる。
なんとなく捻くれている大人ばかりだから
なのかもしれない(失礼)。

K本さんちには小田急線で4駅だけれども、
私にはケーキを持って行く使命があった。
ケーキは吉祥寺に予約してあった。
ぐるっと吉祥寺経由で、成城に。
ケーキを受け取り折り返し、
吉祥寺で電車に乗る前に紅茶を買って飲んだ。
この日は朝から何も飲み食いしていなくて、
パワー不足。

おまけにバス停のアナウンスをきき間違え、
一駅乗り越した。
小学校に入ったばかりでバスを乗り越した、
遠い昔のことを鮮明に思い出す。
私は当時は少数派の両親共働き家庭で、
学童保育クラブに入るため隣の小学校に入った。
学区外なので少し遠い。
1mをやっと越えた1年生にはそれはかなり遠く、
徒歩30分かかってしまうのでバス通いとなった。
ランドセルに紐で定期入れをぶら下げて。
定期入れの中には家のカギも入っていた。

その朝はバスのアナウンスが一つずれていて、
まんまと乗り越してしまった。
不安になって泣きながら歩いた。
適当な道を歩いていたら、
なぜか更に隣の小学校に着いてしまった。
松原の子が赤堤の学校に通い経堂の学校に迷い込んだ。
一つ角を曲がっただけの乗り越しだったのに。

バスの乗り越しはそれ以来…だと思う。
大人になった私は来た方向へ少し戻り、
しっかり軌道修正してちゃんと到着できた。

maruyaki.jpg
大幅遅刻のため、
H美さんの丸焼きの全貌は写真に収められず。

gyutan.jpg
K本さんの牛タンは今年も美味。
O嶋さんのアフリカ土産のハチミツは濃厚で、
プロポリスたっぷりで元気が出た。

2009x'mascake.jpg
フリュイ・セック・キャラメル

H美さんの靴下デザイナーの過去で盛り上がり、
K本さんの睡眠グラフが衝撃的だった。
今年もいろいろ美味しかった。

投稿者 mamiko : 06:59

2009年11月20日

古くて新しい友達

11月初めの週末、
マユりんの企画で、花、コバシュウさんと
4人で映画を観ることになった。
皆、中高の同窓生です。
在学中、女子2人は挨拶程度、
コバシュウさんは話した事なかった。
そして40過ぎて皆で映画!

最近、友達が30人くらい増えた。
皆再会した中高の仲間ばかり。
今年初めて話した人もいる。
学生の頃の私はおしゃべりが上手でなくて、
挨拶しかしない友達が大半だった。
仕事も境遇もバラバラだけど、
なんとなく安心なのは、
子供時代の顔を知っているからかもしれない。

映画前にカフェで待ち合わせ。
私はお店で一番珍しそうなメニューを
試してみたくなるクセがあります。
今回も。
tomatomango.jpg
トマトとマンゴーのスムージー

「美味しい?」
「う〜ん?…トマトが勝ってる」
「で、美味しい?」
「う〜ん…身体に良さそう」
「で?」
「う〜ん…」
と最後まで美味しいのかどうか、
よくわからなかった。
でも次に行った時もオーダーしそうな気がする。

映画館は混み混みで、ビルの外まで並んでいた。
2日前の深夜にネット予約して正解。
少し早めに行き、無事チケットに変換。
いつもは空いているエレベーターは、
警備員さんが人員整理していました。
皆向かう所は同じ、
マイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」。
満席。

やー…MJ元気そうでした。
キレキレで踊って歌っていました。
皆に気を使っていて優しいし、
イイモノ作ろう!って頑張ってました。
ちょっとのことで亡くなる感じはしない。
練習なんだけどセットも大掛かりで、
ライヴ観たような感じに。
映画が終わって明るくなったら拍手が。

映画の後、予定していたお店「立吉」に直行。
土曜日の6時、こちらも混み混み。
1時間並んでお店に入り、
串揚げ16本食べておなかいっぱい。
結局また違う安居酒屋さんに流れ、
まったり呑みながらおしゃべりして、
終電に乗るためにちょっと走った。

投稿者 mamiko : 23:22

2009年09月11日

ケセランパサラン

「ケセランパサランに似てるね」
と言われた事がある。

ケセランパサランとは、
白くてフワフワと漂っている、
謎の生物である。
実態はハッキリしない…

keseran_1.jpg
小動物が補食された後に残った毛皮の
皮膚の部分が縮まり、
毛を外側にして丸まったもの説。

keseran_2.jpg
植物の種子(綿毛)説。
ケセランパサランとして捕獲されているのは、
この系統が多い。

keseran_3.jpg
雪虫(ワタムシ)説。
群れで飛ぶと雪みたいなのだそう。
アブラムシの仲間なので害虫。

keseran_4.jpg
オーケン石 (ラビット・テール)説。
針状結晶が放射状集合体となったものらしいが、
あまり解明されていない鉱石。
石なのにふわふわして柔らかい触り心地。
希少価値があり、
手にした者には幸せが訪れると云われている。

こんな風に正体はいろいろ。
云い伝え、 精霊、妖怪のたぐい?
捕まえると幸福になるとか云う。
捕獲したら桐の箱に入れて、
おしろいをあたえるのだとか(ペット?)

似てると言われても、
顔も性格も定かでないものです。
ただその場に居た人たち全員が、
「うんうん、似てる!」
と納得していたのはどういうことなのか……。
小さくて白っぽくて丸いからか。

そう言えば昔、祖母が、
新聞に載っていたオコジョの写真を
「これ、真美ちゃんに似てるでしょ」
と切り抜いてわざわざ額に入れていた。
冬毛の白いオコジョだった。
okojo.jpg

投稿者 mamiko : 21:58

2009年02月27日

煮詰めたいとき

そうだ!と台所に行って、冷蔵庫を探る。
 
jam_sramp1.jpg
イチゴと冷凍ブルーベリーと砂糖を
適当に鍋に入れて、ぐつぐつと煮詰める。
本当は自分が煮詰まっているのだけど、
家中がいい香りでちょっとだけ幸せ。
しかし午前3時だったりする。
そんな時間にジャムを作る人って、
いったいどのくらいいるのだろう?
 
jam_slump2.jpg
どんどん増えていったジャム
 
停まっていた仕事の手が動きだしたら、
順調にジャムは減っていったのでした。
きっと他にもいろいろありそうですが、
時々自分の変なクセを発見します。

投稿者 mamiko : 18:11

2009年02月17日

大人の散歩(遠足)

春一番の吹いた翌日、C書房Tさんに誘われ、
ハルミンさんのお仕事(取材)に同行。
 
koisikawa-ume.jpg
飯田橋から出発し、小石川後楽園の梅祭り。
お土産屋さんで梅酒を試飲し、
朝からいきなりちょっと飲む。
 
aoumedaifuku.jpg
ハルミンさんに青梅大福を買ってもらい、朝ご飯。
 
koisikawa_mitokomon.jpg
11時になると水戸黄門様御一行に扮した、
庭園保存の会の方々と梅娘二人が登場。
観光のおばさんたちに大人気。
紋所をかかげ一緒に写ったりしている。
(御一行と言ったって一般人ですよ…?)
 
koisikawa_koi.jpg
池の鯉は黒っぽいぬめっとした種類。
太い輪ゴムみたいな唇が餌をせがみ、
陸に上がって来そうな勢い。
 
2月だというのに日焼けしそうな陽射し。
庭園を後にして徒歩でてくてく本郷へ。
東大赤門からキャンパス内の池も周り、
池之端門から出て上野不忍池横を通り、ひたすら歩く。
動物園は春にマダガスカル館がオープンするらしい。
 
takajo_inaka.jpg
根津「鷹匠」の深山(いなか)蕎麦を食べた。
太くてもっちり!ごちそうさま。
 
またてくてく。
猫ストーカー(ハルミン)と猫仙人(私)が揃い、
普段猫が多く生息しそうなところを通ったのに、
猫とは遭遇しなかった。
それでもハルミンさんは原稿のネタはもう充分!
とニンマリしてて楽しみだ。
いつの間にかTさんにどうしたら結婚できるのかと、
取材をしていた猫ストーカーと猫仙人でした。
千駄木倶楽部でコーヒーを飲み取材は終了。
 
Tさんとお別れし、ハルミンさんと二人、
電車に乗り新お茶の水へ。
久しぶりに神保町の文房堂画材店へ。
私の版画のリノリウム板はこの店にしか無い。
売切れると海外からの取り寄せ3ヶ月待ち。
とりあえず20枚ほど購入し一安心し、
古本屋を数件見て、お茶とケーキで一休み。
 
すっかり日が暮れた街をまた駿河台方向に歩き、
明治大学の横を通り、母校の文化学院を見に行った。
とにかく校舎が気に入って入った学校でした。
bunkagakuin_kyu.jpg
旧校舎(この2階が美術科でした)
老朽化を理由に新校舎に建て替えられたばかり。
この縦長の古窓などは再利用されていました。
明治大も駿台予備校も、皆校舎が新しくピカピカ。
かなり景色が変わったけど、街の空気が懐かしかった。
 
帰りの電車でハルミンさんと、
上野動物園のマダガスカル館に想いをはせつつ帰途につく。
つい数日前まで家の猫並みの行動範囲だったのに、
すっかり歩きまくって大冒険。
ほんのり腰痛、次の日筋肉痛。

投稿者 mamiko : 23:59

2008年10月21日

左手の災難

掌にガングリオンができてしばらくして、
先日は人差し指。
包丁でさくっとやっちゃった。
大した事はなかったけれど、
血が出る怪我って、
一人で慌てた後になんかしょんぼりする。
ハイテクなバンドエイドを貼ったら、
早く治った。
今度は親指がおかしい。
何か掴んで引っ張ると関節に痛みが走る。
あまり心当たりはないけれど、
指の捻挫ってあるのかな?

これらの怪我などは全部左手です。
私の右手は細かい作業をするための手。
大事にしなくてはいけません。
だから私はその他の事に左手をよく使う。
重い物、瓶の蓋、ドア開閉、引っ張る、
押さえる、猫と遊ぶ…
力仕事などは殆ど左手の担当。
そしてなんとなくストレスが続くと、
なぜかカブレだす左薬指。
とにかく私の左手はいろいろがんばっています。

hidarite_kajirumugi.jpg
ムギによる非常に痛い災難。

投稿者 mamiko : 19:40

2008年09月11日

饅頭泥棒

朝、出かける用事があったので、
貰い物のお饅頭をさっと食べて出ようと思い、
キッチンに1個置いて就寝した。

目覚めると室内に泥棒が居た。
泥棒はおじさんのようだったが、
よく見たら若い男。
私に見つかったことに気付き、
「何も盗るものが無かった、見逃してほしい」
と言う。
「でも何か盗んだでしょ?」と訊くと、
私の財布をポケットから出して返してくれた。
泥棒に何か言おうとしたが、
喉が詰まったようになりうまく話せない。
あがあがあが(苦しい)…
というところで、目が覚めた。

喉がカラカラだった。
夢の中で上手く話せなかったのは、
そのせいらしい。
麦茶を飲んで、お饅頭を食べようとしたら、
…ない。
お饅頭は横のシンクに転がっていた。
包んであったセロハンが半開きになっていて、
しかも一口かじられていた。

どうやら犯人は食べてみたもの、
好みではなかったらしい。
お饅頭が置いてあった場所に、
フワフワの長めの白い毛が残っていた。

椅子上で仰向けに転がり、アクビする犯人M。
mugi_aomuke.akubi.jpg

投稿者 mamiko : 21:07

2007年12月31日

2007年キーワード

珍しく本日2度目の更新。
大晦日なので振り返ってみた。
今年の私のキーワード、挑戦した事などなど…。

・一人暮らし
猫が居るとあまり一人という感じはしない。
2007_koge.jpg

・ホラー映画を一人で鑑賞
ホラーは苦手な友人が多い。
見終わってからが心配だったが、意外に平気。
ストーリーのつじつまが合わないと、
怖さが半減する。

・ピアスの穴開け
ホラー映画を一人で観るより勇気がいることだった。
おしゃれの幅が広がり楽しいけれど、
もしも次に開けるときは絶対自分ではしない。
(詳しくは6月19日ロシアンルーレット

・深夜に猫を命がけで助ける
この一年で一番頭が回転した日。
(詳しくは7月20日真夜中のレスキュー隊
2007_mugi.jpg

・ビリーズブートキャンプ
一通りやってみたが、もう一度やる気が起きない。
いろいろ原因を考えてみたところ、
私はビリーが好きじゃないのだと判明し納得。
なんだか見ていると憎たらしくなってくるのだ。
そんなわけで、
性懲りも無く今度はターボジャムのDVDを買う。
ターボジャムの先導者は女の人。
この人は嫌いではない。
画面に終了までの時間が秒単位で見える。
こちらの方が向いている。

・漬け物狂
手際が悪い私でも気軽に出来て楽しいため、
なんだかいろいろ作った。

梅干(塩漬け、砂糖漬け)
梅のリンゴ酢漬け
梅のハチミツシナモン漬け
梅酒
プラム酒
カリンと柚子のハチミツ漬け
ドライトマトのオリーブオイル漬け

浅漬けいろいろ
梅干を漬けたときの梅酢を再利用。

糠漬け
nukaduke.jpg
糠漬けに執着はなかったが、秋から開始。
冷蔵庫に入れれば、毎日かき混ぜなくてもいい。
糠を足す時はヨーグルトをひと匙。
始めて2ヶ月後えらく美味しくなった事に気付く。
長芋と蕪がお気に入り。

・友達
今年は本当に友達に恵まれた。
身近な友達、久しぶりに再会した友達、
遠くからメールしてくれた友達、
たくさんたくさん励ましてもらった。
友達の有難さが心に沁みる年だった。

・ときめき
嫌な事があると蕁麻疹や湿疹がでていた。
その逆に、何かにときめくと
肌の調子がたいへん良くなることを知った。
今年一番のすばらしい発見!

投稿者 mamiko : 19:38

2007年08月20日

内股

私は生まれつきの内股。
小さい頃はよく、
私の右足に私の左足がつまずいて転んだ。
自分につまずくって、
なんだか根本的にダメな気がする。
今では自分につまずくことはなくなったが、
時折横断歩道の白線につまずく。
どれだけ地面すれすれを歩いているのだ。

koge_utimata.jpg

koge_utimata2.jpg
転がっているコゲの足が内股で可愛い。
コゲは歩く時は外股。

投稿者 mamiko : 19:14

2007年08月19日

金曜日の浮遊

何年か前、一人で銀座の古い映画館に行った。
少しエッチなシーンで隣の席の男の人が、
私の足に手を乗せた。
すぐにその手を思い切り振り払い、
席を立って移動した。
あまりに頭にきたせいで、
その映画のタイトルも内容もまるで憶えていない。

数年ぶりに一人で映画を観た。
新しい映画館の椅子はフカフカで、
画面に対して傾斜の角度もいい感じ。
映画が面白かったし、
声をあげて笑ったおかげで、トラウマも解消。

水槽のフィルターととても軽いスカートを買い、
ロールケーキを食べ珈琲を飲んだ。
なんとなくすぐ帰るのがもったいなくて、
夜まで何時間も渋谷の街を彷徨い続けた。
足に靴擦れの水ぶくれができた。
(映画は「キサラギ」を観ました)

kogemugi2shot.jpg
お留守番が長びくと猫たちは、
帰宅時にニャアニャア文句を言う。

投稿者 mamiko : 00:56

2007年08月01日

祖母の誕生日

「おばあちゃんのお誕生日いつ?」
幼い私が訊いた。
「私、歳とるの嫌いなのよ」と祖母は答え、
結局誕生日を教えてくれなかった。
お誕生日は楽しいもの、
プレゼントがあったり、ケーキがあったり、
という考えを見事に打ち砕かれた。
周りの人のお誕生日をインプットするのが
流行っていた頃の印象的な出来事。

「おばあちゃん、私結婚が決まった」
と報告しに行った時、
「真美ちゃん、結婚は人生の墓場よ」
と返ってきたのもかなり印象深い出来事だった。
横で複雑な表情のおじいちゃんの顔も…。

いつもおばあちゃんの言葉は予測不可能で
びっくりさせられた。
それらは一見鋭い言葉なのだけれど、
特に私を傷つける事なく強く記憶に刻まれた。

その祖母が昨晩他界した。
誕生日の数時間前に。
94年と364日の人生。
やっぱり歳とるのが嫌いだったんだね。

投稿者 mamiko : 22:29

2007年06月19日

ロシアンルーレット

思い立ってピアスを開けた。
今月は仕事で籠っている日が多いから、
そういう日程の時の方がいいかなと思って。

買ってきた専用の器具は、
凹みに耳たぶをはさみ、
ピストルの引き金のようなものをカシャンと引く。
中に樹脂製の筒ピアスが仕込まれていて、
カシャンの時だけ筒の中を金属針が一緒に通り、
金属針が直接肌に触れない仕組み。
針は結構太い…。

もっと簡単だと思っていた。
……ロシアンルーレット気分でした。
いや、あれと違って、
必ず玉(針)が出るわけなのですが。
深呼吸して…引き金が引けない。
…というのを数回繰り返してから、
やっとカシャンッ!
こんなに勇気がいるとは思わなかった。
こんなに痛いものとも思ってなかった。
痛いからもう片方の耳は、更に恐怖。
躊躇したせいで一気にトンネル開通できず、
泣きそうになりながらもう一度引き金を引いた。

何とか無事に開通したものの、
左右の穴の位置がずれた。
でも自分ほどこの穴の位置をじっくり見る人は
多分居ないだろうから、これで良しとする。
(もうやりたくない)
よく見ると、左右の耳たぶの大きさが違う。
だから同じ位置なんてきっと無理なのだ。

それにしても、耳って変な形してる。
手や足の指なんかもじっくり見ていると、
なんとも気持ち悪いものに見えてきます。
人間の形って気持ち悪い…。

猫の耳や手は、いくら眺めても可愛いのになー。
mugi_koutoubu.jpg

投稿者 mamiko : 14:22

2007年04月13日

他人のそら似

一週間前に会ったばかりの友人からメール。
私にそっっっくりな人と会ったと。
そっくりの「っ」が3つも入っていたので、
かなりのそっくり度なのだろう。

学生時代にお茶の水の街を歩いていたら、
「○○ちゃん、どうしたのー?」と、
知らない人に声をかけられた。
その人は至近距離で私の顔を見ているのに、
間違えたことに気付かない。
私が戸惑っていることにイライラしている。
イライラされても私にとっては知らない人なので、
「あのー、どなたかとお間違いじゃないですか?」
というと、その人はきょとんとして、
「あれ?え?…ごめんなさい」と去って行った。
そうとう似ているらしい。
至近距離でも間違える程のそっくりな人。
そんなに似ている人が居るのかと、
複雑な気分になった。

女性誌の髪型特集。
街で見かけた女性がコマ割りでたくさん並ぶ中、
ふと目を止めた気になる顔。
顔の口元を手で隠すとまるで私だ。
部分的に酷似。
しばらく会っていない人なら間違うかも。

私が学生時代にお茶の水で間違われた人は、
今も似ているだろうか?
昨日友人が会った人と、
その人は同じ人だろうか?
会いたいような、会いたくないような。

私とそっくりな人。
その人も背が低いのだろうか?
それとも顔だけ似ていて背は高いだろうか?
服装は似ているのだろうか?
私にしては派手だったりするだろうか?
声は?
性格は?
食べ物の好みは?
その人のお父さんと私の父は似ているだろうか?
その人も私と間違えられた事があるだろうか?
知りたいような知りたくないような。

kogemugi_taimen.jpg

投稿者 mamiko : 20:18

2007年04月03日

Ashes and Snow

nomadic.jpg
3月の暖かい日、
ハルミンさんとお台場に設置されている。
ノマディック美術館に行った。
グレゴリー・コルベール写真展Ashes and Snow
を観てきた。
暖かい春の日差しの中、
近隣には菜の花がたくさん咲いて、
陽射しできらきらゆれていた。

ノマディック美術館は、
この写真展のために立てられた移動美術館です。
(移動サーカスみたいな感じ)
外観はカラフルなコンテナがたくさん積んであり、
中は黒い大きなテントのようだった。
薄暗い中にセピア色の写真が浮かぶように並んで、
通路を造っていた。

nomadic2.jpg
ゾウ、クジラ、チーター、ワシ、チンパンジー…
動物と人との以心伝心な写真です。
本を開く少年とひざまづく大きなゾウ。
白い布をまとって踊る女性と大きなワシ。
ハルミンさんと私はゾウの大きさに驚いたり、
人と動物の距離に驚いたりしながら進んだ。

奥にはゆったりスローモーションの映像。
スクリーン前の不揃いな大きさの円柱に腰掛け、
チンパンジーと女の人の
濃密な恋人のような時間を眺めた。
頭の上にミーアキャットを乗せている少女。
映像にワニも出てきたが、
ワニはさすがに人と以心伝心してなかった。
あれは近付いたら食い殺される、きっと。
クジラと一緒に泳ぐ水中ダンサーは、
クジラより息継ぎしないで水中にいた。
砂漠で寄り添うチーターと裸の少年やおばあさん。
眠っている少年をまたいでいくチーター。
私はこのチーターたちに釘付けになった。

十代の頃、
私はライオンと暮らしたいと思っていた。
ライオンのお腹を枕にして眠りたかった。
強くて大きな百獣の王。
動物園でもライオンの檻の前に長く居たりしてみた。
しかしライオンはぐうたらと寝てばかりで、
私の気持ちも次第に冷めた。

今回の展覧会を観て、
忘れていたそんな思いが蘇った。
ライオンからチーターに心変わりして。
しなやかな身体に美しい水玉模様の毛並み。
黒いまつげにしっかりした鼻筋。
頬には特徴であるデビルマンのようなライン。
黄金の瞳で遠くをじっと眺めている。
悠然と歩いてきて、私の横に座る。
長い長いしっぽが私の足に巻き付いて、
ほんのり体温が伝わる。
チーターと私は対等なのだ。
そしてとても信頼しあっている。
いいなあ…。

投稿者 mamiko : 18:31

2006年12月11日

開眼?

glass.jpg
赤、青、水色、緑、グレイの5個のグラスを買った。
宅配便のダンボール箱を開けると、
それらは1個1個、
新聞紙とプチプチに丁寧に包まれていした。
あんまりきちんと包装されているので、
外からだと全く何色か見えない。
そこでふと、色当てゲームを思いついた。
包まれたままのグラスを手に持って、
5色の中から思い浮かべてみた。

1個目を手に持った。
「これは赤」と思った。
開けてみるとなんと赤いグラスで、
見事に当たり!

気を良くして、次のグラスを手に持った。
「うーん、これは緑」。
開けると緑のグラスが出てきた。
おおっ!

次のグラスはグレイかな?
手に持ったら「いや、これは青」と頭に浮かんだ。
開けると青いグラスが出てきた。
…ちょっと怖くなってきた。

つ、次!
手に持ったら「水色」と浮かんだ。
開けるとやはり水色が!
というわけで最後が「グレイ」。

最後は当たって当然なのだけど、
5個のグラスの色を全て当ててしまった。
だから何ってこともないのだけど、
これってすごくないだろうか?
特殊能力が開眼したのではないだろうか?
誰も居ないときだったことがちょっと悔やしい。

とりあえず、
「年末ジャンボ宝くじ」でも買ってみよう。

投稿者 mamiko : 08:06

2006年03月14日

夜明け前

3月だというのに粉雪が舞った。
深夜にアトリエで仕事していたが、
根気がなくなる。
寒くて、そして眠くてしょうがない。
「眠っちゃダメだー!凍死するぞっ!」
と顔をひっぱたく人もいないので、
「負け」と思いつつソファに倒れ込む。
午前5時。
膝掛け毛布の中に入ろうとするあまり、
足を抱えかなり小さく丸くなる。

すると何やらチクチク痛い。
2センチくらいの小さい深紅のトンボが、
集団で飛び回って攻撃してくる。
私の顔や腕や背中を噛む。
鬱陶しいので振り払うが、
蜂のようにブンブンと襲って来る。
ふと水槽に目をやると
ドジョウのおーちゃんが、
水面から手を出してトンボを捕まえた。
そのトンボだけはとても大きい。
おーちゃんは大喜びで、まるで猛獣のよう。
カブリと頭からかじりついている。
捕まえた両手は猫の手みたいだ。

母がこんな時間にアトリエに来訪。
そして折畳み椅子を3つ並べて寝転がる。
母も疲れているのか…。
クッションが無くて痛そう。
早く起きてソファーと毛布を貸してあげよう。

愛猫コゲの話しかける声。
薄目を開けるとコゲがすぐ近くの椅子で
こちらを見ていた。
母は来ていなかった。
おーちゃんも水中で静かに沈んでいる。
横になってから20分が経っていた。
ゴミを捨てに外へ出ると、
明るくなりかけの空に星がまだ出ていた。
Ocyan.jpg

投稿者 mamiko : 18:21

2006年01月02日

かくれんぼ

koge_kakurenbo.jpg
コゲが居ないなあと思ったら、
カーテンの隙間に居た。

私は子供の頃、
かくれんぼが得意だった。
小柄なので植え込みに隠れたり、
小学校の裏の灰置き場
(焼却炉の灰を捨てる小屋)の屋根上に
塀を蔦って登ったり、
いろんな隙間に隠れて、
大抵オニに見つかりませんでした。
あまりに見つからないので寂しくなって、
よく自分から出て行きました。

2006年になりました。
ちゃんと寒いですね、この冬は。
ヨーロッパでも大寒波とか。
地球が温暖化を少し元に戻そうと
頑張っているのでしょうか?
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

投稿者 mamiko : 16:04

2005年08月16日

コルク人形を作るとき、
待ち針や虫ピンをよく使用する。
そのままでは長過ぎるので、
針の先端をニッパーで2cmほど切る。
そこいらに飛んでいくと危ないので、
小さな瓶に針先を向けて切る。
その瓶の中には、
針金の短いのやら、カッターの刃先やら、
危険な物がギュウギュウに詰っている。
その瓶は「世にも危険な瓶」と呼んでいる。
kikenbin.jpg

小学生の頃に、
針が身体に刺さってしまった人の話を
たしか家庭科の先生に聞いた。
針は細くて血管に入り込み、
身体のあちこちがチクチク痛む。
血管に流されて、
最後に心臓に針が刺さって死ぬと。

ものすごく恐ろしい話だった。
針は落としては大変だ。
それからは、人の家だろうと、
針が落ちているのを発見したらすぐ拾った。

ところが先日仕事中に、
いつものようにパチンと切った針先が
勢い余って飛んでしまった。
2本まとめて切ったのがいけなかった。
シルク生地用の細目の虫ピンだった。
ステンレス製なので、磁石も使えない。
1本は机の上で見つかり、
「世にも危険な瓶」に収めた。
もう1本は、私の身体に当たって落ちた。
薄暗い机の下の絨毯を
目を凝らし手でなぞり探した。
けれどもどうしても見つからない。

仕事が終わってから数時間、
身体中のあちこちが
チクチクと痛んで困った。

投稿者 mamiko : 20:53

2005年08月02日

「廃線路」

suiri05_09.jpg
小説推理9月号(双葉社)表紙

小学生の頃、
決まって夏に虫歯が痛くなった。
国立に母の友人の歯医者さんがいて、
ちょっと駅から遠いのだけれど、
よくそこまで通った。
国立駅北口から立川方向へ線路沿いに歩く。
しばらく行くと、
小さい踏み切りと引き込み線の線路が現れる。
その頃すでに、
使われていない廃線路だった。
そこを通るのが近道だった。

猫じゃらしを揺らして
向日葵の咲く家や栗林を抜け、
真夏の線路道を急いだ。
帰りは治療が終わっているので
足取りもかなり軽く、
私は枕木から次の枕木へ
ぴょんぴょん跳びながら帰った。
今はもう、
線路も枕木も取り除かれてしまった。

投稿者 mamiko : 01:22

2005年07月15日

夢を見た

2ヶ月前に亡くなった祖母が、
生き返るという夢をみた。
リアルにも葬儀の準備中という設定。

生き返った祖母は、
死んでいたとは思えないほど元気で、
皆が驚く中で起き上がり、
わーと泣きながら抱きあった。
祖母は立ち上がりちょっとよろけたが、
すぐにしっかり歩いた。
その後に場面は変わって、
駅の階段を手をつないで降りていた。
私は、亡くなったことを知らせたところに
どう説明しようかと考えていた。

目覚めてからもしばらくは現実に戻れず、
どうしようかと悩んでいた。
つないだ手の感触が残っている気がした。

何かの啓示だろうか…。
それとも「いま、会いにゆきます」の
ドラマを見たからか?

投稿者 mamiko : 00:30

2005年05月30日

レザーのおサイフ

秋山祐子さんの作品に出会ったのは、
原宿の手作りアート雑貨店。
私はコルク人形の仕事が
一つ入ったくらいの頃だった。
自費出版の本とポストカードを
そこの店に置いてもらって、
おまけに週に2回の店番もしていた。
祐子さんも同じで、
革のがま口やポーチを置いてもらい、
私とは別の曜日に店番をしていた。
それ以来、お互いの展覧会に足を運ぶ仲。
仕事の場は違えど、年齢も同じで、
スタート地点が一緒な気がする。

祐子さんの作品は植物や小鳥などが
モチーフになっていて、とてもステキ。
裏地は可愛いプリント布で、
とてもキレイな作りなのだ。
おサイフは3つ持っていて、
季節ごとに取り換えて使っている。

作れそうで作れない彼女の小物たち。
ステキなハウツー本が出版された。
作ってみたいけれど、今は眺めるだけ。
akiyamayuko.jpg
文化出版局・1,575円

投稿者 mamiko : 18:44

2005年05月17日

火曜日は、おばあちゃんちの日

いろいろと重なるものだ。
チビトム(猫)が他界して4日目の朝、
祖母が逝きました。
39.2度の熱を出した次の日。
熱は、お通夜の晩まで出ていた。
祖母のことも、チビトムのことも
わかっていたことなのでショックはありません。
あまり苦しまないでほしかったし、
そろそろだろうと覚悟もできていた。
葬儀などで忙しく、全く寝込めなかったので、
風邪はまだ治りません。

毎週火曜日は、「おばあちゃんちの日」だった。
美術学生の頃は、土曜日が休日だったので土曜日。
ここ数年は火曜日だった。
ずっと、週に一度は祖母宅の日と決まっていた。
学生の頃は、祖母宅に私の部屋を作り、
絵を描いて、たまに頼まれた用事をしていた。
その頃は祖父も生きていて、
よくシャツのボタン付けを頼まれた。

祖母の老化に伴い、用事がどんどん増えた。
泊まっても絵を描く時間はなくなり、
掃除や買い物、外出の付き添いの日となった。
鍋が焦げていたり、ガラスの破片が落ちていたり、
冷蔵庫の中がベタベタになっていたり…。
私が30歳くらいの頃だったか、少し辛くなり、
毎週祖母宅の前夜に蕁麻疹が出て困った。
少し気楽に手伝おうと肩の力が抜けた頃、
蕁麻疹もでなくなった。
耳が遠いのでテレビの音量がだいぶ大きくなって、
私の耳もかなり疲れた。
けれども、そのおかげで
蚊の鳴くような声だった私は、
大きな声ではっきり話せるようになった。

OLをしていた頃は、
なかなか週に一度は行けなかったけれど、
勤め先の銀座で、時々祖母とデートした。
デパ地下のベンチで待っていてと約束をして、
私は夕方仕事を終え、
急ぎ足でデパートの階段を下りて行く。
必ず早く来て座っていた祖母が、
「まみちゃんは内股で下りてくるからすぐわかる」
と笑っていた。
銀座のライオンで生ビールで乾杯し、
フレンチフライドポテトを食べる。
最後にライオンに行ったのは、今年の1月の初め。
足が弱くなり外出もタクシーが増えた。
「鳩居堂」までタクシーで行って、
祖母は便箋、私は個展用の芳名帳を買った後、
ゆっくり歩行者天国をライオンまで歩いた。
生ビールは中ジョッキを2つ頼むのだけど、
私はそんなに飲めないから、
祖母のジョッキが空になったらジョッキを交換する。
冷えてる方が好きなので、ビールにも氷を入れる。
そのやり取りは、相変わらずだった。

そうやって祖母と2人で、
ずいぶんいろんなところに行った。
時々、横浜に泊まりに行った。
元町商店街を練り歩き買い物して、
「ホテル・ザ・ヨコハマ」に泊まる。
夜はカクテル“赤い靴”を飲む。
新宿の「時屋」では、うどんと甘味。
毎年雛祭りの前は、
小田急ハルクの地下で「虎屋」の箱菓子を買い、
「千疋屋フルーツパーラー」へ。
渋谷は東急本店に行き、買い物を済ませたら、
レストラン街の「揚州飯店」へ。
前菜からデザートまでお腹いっぱい食べて、
おみやげに大きな中華まんじゅうを買う。
成城へ用事で行ったときは、
「櫻子」で和風弁当や甘味を食べ、
成城石井(高級スーパーマーケット)で買い物をして、
「アルプス」でケーキセット。
あちこちに、祖母のお気に入りの店があり、
お決まりのコースがあった。

今日は祖母のいない
初めての火曜日(おばあちゃんちの日)。
けれども思い出の場所が、
あまりにたくさんあり過ぎて、
どこに行っても祖母とすぐ会える気がする。

投稿者 mamiko : 05:04

2005年02月17日

湯沢にて

今週初めにスキー旅行に行ってきた。
本当はそんな暇はない筈なのだが、
年に1度なので許して欲しい。
朝まで仕事をして出かけたので、
睡眠時間2時間だったけれど、
お天気も景色もよくて、元気に運動。
消費したカロリーは、
スキー場でホットケーキやクレープを食べ、
すぐに取り戻す。

yuzawa.jpg

雪国育ちではないが、
祖母も両親も若い頃からスキーをたしなむ。
私が赤ん坊の頃は父の背中におんぶされ、
吹雪の中、転ぶと泣きわめいたという。
(当たり前だ!)
スキーを初めて履いたのは2歳。
赤い木製のスキーで、
先端になぜかニャロメが描かれていた。
nyarome.jpg

小学1年生の頃から、
毎年春休みに3泊でスキー学校に行き、
6年生の時に3級(パラレルターン)取得。
スキーは自転車と一緒で、
一度滑れるようになってしまえば、
何年後に行っても滑れる。

子供の頃は、
リフトも一人乗り用しかなくゆっくり。
スキーウェアがあまり良い物が無くて、
手袋も靴もびしょびしょに冷たくなって、
本当に寒かった。
今はスキーウェアは軽くて暖かいし、
リフトは速いし、
しかも乗るときはゆっくりになるし、
とても進歩した。
でも、スキー靴が重たいのが気にいらない。
足首が動かないので階段とトイレが大変。
もうちょっと研究開発を頑張って欲しい。

スキー場ではスイスイと上手に滑り、
一度も転ばない私だが、
宿の温泉にてツルッと滑り、
転んでアザを作った。
足の爪2本からも内出血...。
お風呂の縁に大理石を使うのは、
危ないからやめてください。

投稿者 mamiko : 22:17

2005年01月13日

1週間前の心得

美容院へ行き髪を切り、
その足で額の追加注文にユザワヤへ。
転ばないように気をつけて、
ジーパンに運動靴で出かける。
undougutu.jpg

1998年のコルク人形展前。
グッズ販売用の袋などを買いに
浅草橋の包装用品店シモジマに行った。
一人で買うものを探して走り回っていたら、
店の階段から落ちて足首捻挫。
重い荷物と足を引きずりながら最終準備。
展覧会1週間前の出来事。
展覧会中は湿布をして乗り切る。

1999年のコルク人形展前。
珍しく作品は用意できていて余裕あり。
痩せるためという目的で、
友人と区民プールのジムへ行く約束。
自転車に乗り慣れない道を走行中、
細い交差点で軽自動車にはねられる。

自転車は私より遠くに跳んでいた。
当の私は流血もせず、
骨折もせず自力で立ち上がったが、
初めて救急車で運ばれる。
頭を打ったからと救急で運ばれたのに、
ひとけのない病院の廊下で
40分もレントゲンを待たされる。
駆けつけた夫の車に乗り警察へ行き、
痛い足を引きずりながら、
事情聴取というものを初めて経験する。

その日は家に帰ると、
だんだん首が動かなくなり、
右手の親指の付け根が痛くなる。
強打した膝はみるみる倍に腫れ上がり、
紫色の腐った林檎がみたいになった。
これは、展覧会5日前の出来事。

展覧会中はスカートでのおしゃれは諦め、
途中トイレで湿布を貼り替えつつ接客。
毎日車の送り迎え付きで乗り切る。

今度の展覧会では
湿布臭い人だと思われないように
十分注意したい。

投稿者 mamiko : 02:56

2004年11月27日

遊歩道のハスキーヴォイス

夕方、薄暗い遊歩道を歩いていたら
「びゃおん、びゃおん」と、
素敵なハスキーヴォイスで
草木の間から猫に話しかけられた。
本当は「びゃおん」ではないけれど、
うまく文字に表すことができない。
声の主は、しなやかな体型の
ハンサム茶トラ猫だった。
目の下と、ニクタタキ(ヒゲのはえている所)に
うっすら白いポイントあり。
とても愛想がよくすり寄ってきた。
首輪はしていないが、
頭を撫でるととても手触りがいい。

hasuki-tyatora1.jpg

遊歩道は商店街と平行しているので、
片側は商店や飲み屋の裏にあたる。
反対側ものんびりと住宅が建ち並んでいる。
この遊歩道の入口付近にはキジトラ猫が
たくさんいる。
雨が降ると、植木の影や横の軒先で固まって、
雨宿りしている姿を見かける。
このあたりは、人と人の暮らしの間に
ジャマにもならず気ままに猫が共存していて、
バランスよく優しい環境なのだろう。

ハスキーヴォイスの茶トラ君には、
数枚写真を撮らせてもらい
「じゃあね」と別れた。
ちょっとついてきて
しばらく見送ってくれた。

投稿者 mamiko : 01:52

2004年11月25日

誕生日にまつわる話

今年も誕生日が来た。
夫と私の。

生年月日がたまたま一緒だった。
なにかこれで便利なことがあるかと言えば、
憶えやすいというくらいだ。
よく何かの暗証番号に
相手の誕生日を捩ったものを使うが、
そういう手が使えないので、
ちょっと不便だったりする。
クリスマスが誕生日の人は、
プレゼントがまとまってしまいつまらないと
聞いたことがある。
私の場合は、
自分の誕生日だが、プレゼントを用意する。

知り合ったばかりの友人に
2人の誕生日を聞かれたりすると面白い。
たいていの場合、
「え、同じ誕生日なの!運命だねぇ!
じゃあ血液型は?...え、血液型も一緒なのぉ!!」
という反応。
その後、なぜか羨ましそうにされる。
たまに、
「なにそれ、キモチワルーイ!」
という否定的な反応。
その場合は、
「前世で、離ればなれになった双子だったのかも...」
とか言っておく。

国民健康保険証が今年から
一人一枚ずつに変わったので便利になったが、
あれが1世帯で1枚だったときのこと。
2人して別のことで診察を受けに、
近所の病院に行った。
帰りにそれぞれの薬を受け取りに薬局へ。

待っていると、
パソコンにデータを打っていた受付の人が、
「あれっ?これ間違ってますね」と言う。
誕生日が同じになってるから間違いだというのだ。
「あ、一緒なんです」と答えたら、
「あ、ご兄姉ですか」と、納得している。
一緒の家に住み生年月日が同じ=双子の兄妹(姉弟)
ということなのだ。
夫婦は連れ添っていると雰囲気が似るという。
二卵性双子くらいに見えるのかもしれない。
「いえ、夫婦で偶然に一緒なんです...」
悪いことは何一つしていないのに、
妙に気まずい雰囲気になってしまった。

imadojinja-manekineko.jpg
東京浅草・今戸神社の縁結び招き猫。
左のブチ柄の方が雄猫だそう。
この猫達だって同じ誕生日だ。

投稿者 mamiko : 00:29

2004年10月17日

身だしなみ

電車やバスの中でお化粧をする女の子を
見かけるようになったのはいつ頃からだろうか。
人の視線は全く気にせず、堂々とお化粧をする。
よくあんなに大きな鏡を持ち歩くなあと思う。
私は旅行に行くときだって、
あんなに大きい鏡はごめんだ。
すでにキレイにお化粧しているのに、
更に塗りたくる人、
延々前髪の並び方をいじる人。
この人達は、何のために
そんなに鏡を覗き込むのかよくわからない。

揺れる山手線で立ったまま、
眉毛を書き、アイシャドウを塗り、
カーラーでまつげをカールし、
マスカラで仕上げたところで、
降りる駅に到着した強者を見た。
この人は最初素顔だったので、
すっかり別人に変身して降りて行った。
この人に限っては、
パーティードレスを着ていたし、
時間がなく必要に迫られての行動なのだろうが、
すごい技術だと感心してしまった。

一番迷惑だったのは、
地下鉄車内でマニキュアを塗る人だった。
多少混んでいる車内だったのに、
その座席の前だけ半円の隙間が出来ていた。
まず、前の色を落としたのか、
上手くいかなくて塗り直しなのか、
その辺り一帯に除光液のニオイが充満していた。
鼻がツーンとしながら、
呆気にとられて見ていた。

猫は暇さえあれば、身だしなみを整える。
誰のためでもなく、自分のために。

totoko-asiname.jpg

投稿者 mamiko : 00:46

2004年10月08日

金木犀の香り

区民プールに泳ぎに行った帰り、
西日の差し込むバスに揺られていた。
途中の駅から、小学校低学年くらいの兄弟と、
そのお母さんが少し離れた席に座った。
お揃いのジージャンを着ていて、
すごく可愛い。
お母さんは上品な服装で、
知性を感じさせる綺麗な人だ。

静かなバスの車内に、
兄弟のお兄ちゃんの方が
お母さんに話しかける声が響く。
「あの花、なんていう名前?」
窓の外を指差しているが、
走っているバスからでは
そんなに正確に指させない。

「あのオレンジ色のちっちゃい花」
「十字みたいな形で、いい匂いがするの」

ああ、わかった。
金木犀だ。
今咲いているもんね。
次々に明確な特徴を言えて、
この子、頭いいな。

ところが、
お母さんはなかなか答えてくれない。
「ねえねえ、なんていう名前?」
男の子は興味津々のクリクリした目で訊く。
バスの放送が流れる。
「次は、ユリの木公園です」
お母さんは仕方なく答えた。
「ここは“ユリの木公園”だから、ユリの木よ」

そんなぁ!
明らかに金木犀なのに。
確かに窓の横の遊歩道には、
ユリの木が並んでいる。
けれど、葉が少し黄色くなりかけていた。
花なんて咲いていない。
このお母さんは、金木犀を知らないのか、
それとも特徴を聴いていなかったのか。
わからないなら「わからない」と言わないと。

今年も金木犀の香りが漂い始めた。
ふとこの良い香りと一緒に、
去年のバスの中の記憶が蘇った。
私の脳の引き出しには、
金木犀と西日のバス車内の歯がゆい思いが、
セットでインプットされているらしい。

kinmokusei8.jpg

投稿者 mamiko : 01:03

2004年09月25日

前世の影響

テレビで動物映像を見ているときだった。
ナキウサギが冬に備えて食糧を集めていた。
ナキウサギとは、
耳が小さく丸い15cmほどの小さなウサギだ。
キチッキチッという声で鳴くそうだ。
映像のナキウサギは、
自分の身体よりずっと長い草花をくわえて、
引きずりながら運んでいた。
リスのように貯食をするが冬眠はしない。
冬に食べるための食糧を見つけては、
せっせと巣穴近くに持ち帰り、
岩の割れ目などに押し込んで溜めておく。

見ているうちに、
なぜか妙に懐かしい気持ちになった。
初めて見るはずの映像なのに。

私はすぐに何かを貯蔵する癖がある。
消耗品は常にストックがないと不安だ。
トイレットペーパー、セロテープ、
電球、石鹸、お茶っ葉など。
それらをせっせと買ってきては、
家のあちらこちらの隙間に押し込み安心する。
ストックがあるのに忘れて同じ物をまた
買ってきてしまうこともある。

これはもしかして、
前世の影響ではないだろうか?

投稿者 mamiko : 01:22

2004年09月11日

お母さん?

猫や犬の飼い主のことを
「○○ちゃんのお母さん(お父さん)」と呼ぶ。
多分、これは最近の流行だ。
ペットと飼い主の関係が近づいて、
家族として見るとやはり子供になるのだろう。

以前獣医科病院で、
鼻水の猫を連れてきた女性が
「私が悪いんです!風邪ひいちゃって...」
と言っていた。
先生は優しくこう答えた。
「人間の風邪は猫ちゃんには移らないんですよー。
猫ちゃんの風邪も人間には移らないんですよー」
人はどんどん犬猫を擬人化して、
感情移入して見るようになっている。

私はコゲとチビトムのお母さん?
確かに猫たちのことを「うちの子」と言うけれど、
我が子と思ったことはなかった。
だって、コゲとチビトムのお母さんは、
三毛猫のモコちゃん(今は亡き野良猫)だし。
(写真は1999年撮影のモコちゃん)
moko.jpg

では、私の地位はなんだろう?
兄弟でも友人でも恋人でもないし...
もっと親密な関係かもしれない。
私のプライベートはみんな見られている。
猫たちに秘密にしていることは何もない。

もしも猫たちが人間の言葉を話せたら、
真っ先に聞いてみたい。
「私はコゲとチビトムのなんですか?」

投稿者 mamiko : 03:20

2004年09月02日

足の裏のホクロ

私の右足の裏には、ホクロがあった。
楕円形の米粒大のホクロ。
それがちょっと珍しかったので、
子供の頃はよく友だちに見せて自慢した。
ところが、
二十代の始め頃にだんだん薄くなり、
間違ってマジックで書いたみたいになって、
終いには消えてしまった。

ある日、夫の足の裏にホクロを発見した。
私の足の裏にあったものにそっくりだ。
違うところは左足ということだ。
「このホクロ、子供の頃からあった?」ときくと、
「...さあ?」と首を捻っている。

私は盗まれたのではないかと疑っている。

投稿者 mamiko : 17:59

2004年08月20日

金縛りと悪夢

夜中にサッカーの試合を観ていたら睡魔に襲われた。
ハーフタイムの間だけ休もうとベッドに横になった。
後半戦までの10分くらい気持ちよくウトウト。
そろそろ後半戦が始まるから起きよう。

ところが、起きようとするが身体が動かない。
あ〜しまった...金縛りになりかけてる。
指の先からちょっとずつ動かす。
背中に重い物が乗っかって、腕に鳥肌が立っている気がする。
怖い物を見たら嫌なので(見たことはないけれど)、
目をぎゅっと瞑ったまま少しずつ動く。

居間からはサッカーの後半戦が始まった音がしている。
やっと起きあがって居間に向かう。
夫の横に座る。
がしかし、テレビ画面にサッカーが映っていない。
グレーの画面の左上に“ビデオ”と文字が光っている。

そこで目が覚める。
あれっ?まだベッドにいる。
また、動けない...。
何だか先程より更に身体が重い。
なんとかかんとか起きあがり、這いずるように居間に向かう。
またテレビ画面が変だ...違う。
薄暗い画面に外国のドラマみたいなものが映っている。

そこでまた目が覚める。
今のも夢か。
もう一度がんばって起きあがり居間へ。
しかし、まだあのドラマの映像??
サッカーの試合の音がしているのに。

またもや目が覚める。
今度こそ起きるぞ。
なんだか目が開かない。
ベッドの側の棚に手をかけ触りながら行く。
こんなにこの棚は長かったっけ?
また騙されてる。
これは夢だ。

ほら目が覚めた。
やっぱり夢だった。
今度はトイレの方に向かってみる。
なんだか家中が暗い。
トイレの扉を開ける。
目が開かない。
自分の瞼を手でこじ開けるが、トイレも暗い。

そしてまた目が覚める.....。

こんな事を延々くり返し、8回目の目覚め。
やはり重たい身体を動かして居間に向かう。
半信半疑でテレビ画面を確認。
サッカーは後半戦が始まって3分以上が経っていた。
どうやら現実のようだ。
「8回目でやっと起きられた」と苦労を夫に告げるが、
「?」と言う顔をされてしまった。
やっとの思いで起きて来たのに。

投稿者 mamiko : 16:24

2004年08月17日

ツカレ

「ツカレ」は、水蒸気みたいなものだ。
空気中に浮遊していて、
忙しくしていると磁石のように身体に吸い付いてくる。

「ツカレ」は身体にくっついているのだ。
疲れているのは、憑かれているのだ。
そして、体内の水分を吸って重たくなっている。

ベッドの上に大の字で突っ伏してみる。
するとベッドマットに「ツカレ」が
ゆっくりとじわーっと沈んでゆく感じがする。
背中にはコリが甲羅のように貼り付いているので、
仰向けではなくうつ伏せの方が
より早く「ツカレ」を放つことが出来る。

投稿者 mamiko : 15:27

2004年08月09日

韓国ドラマにはまる

韓国ブームだ。
ぺ・ヨンジュンさんが流行っている。
しかし、“フユソナ”も“ヨン様”も好みではない。
なんでも名前を短縮するのは嫌いだ。
「冬のソナタ」は数回見てみたが、
どうも主人公の2人に親近感が沸かない。
(ファンの方々、ごめんなさい)

そんなことを思いつつ、
同じ監督のドラマ「夏の香り」を見た。
(今wowowで吹替版放送中)
主人公の男優さんの茶髪のサリーちゃんパーマが、
似合っていない。
何よりも彼のファッションが許せない。
なぜあんなにインパクトのあるシャツばかり着るのか?
そういう物を着そうな性格の役ではないと思うのだが。
唯一、彼の眉毛が良い。
と思ったら、その男優さんのあだ名は
「墨のような眉」だった。

しかし...女優さんが可愛い。
すごくキレイな目で、毎回涙ぐむ。
私も一緒にせつなくなって毎回涙ぐむ。
一番良かったのは、夜のサッカーグラウンドのシーン。
黄緑色の芝生の上で裸足でダンスをする。
彼の足の上に彼女が足を乗せて...
数少ないキスシーンよりずっとドキドキだった。
いくつかつっこみどころもあるにはあるが、
いつのまにかどっぷりはまってしまった。

このドラマのキーワードになっている曲は、
シューベルトのセレナーデ。
私の通っていた保育園では、お昼寝のBGMになっていた。
と言うわけで、その曲がかかるたびに、
カーテンを閉めた薄暗い保育園の部屋に、
布団が並んでいる情景がつい浮かんでしまう。

投稿者 mamiko : 20:16

2004年07月16日

遭遇

10歳くらいの時のこと。

冬の夜、祖母と手をつなぎ歩いていた。
祖母の家からすぐの角を1つ曲がったいつもの道。
そこで私は息を呑んだ。
向こうから大きな黒っぽいものが、
のしのしと歩いてくるのが見えたからだ。
外灯に照らされたその黒っぽい生き物は、
首もとに白い三日月がある。
…ツキノワグマ!

ん?ちょっと待てよ…ここは東京世田谷。
近所に山もなければ、動物園もない住宅街。
なぜここに ?!
私たちの他には周りに人影は無く、
1本道に祖母と私とツキノワグマだけだった。

学校で国語の教科書に
ツキノワグマが出てきたばかりだった。
マタギの話だったと思う。
立ち上がったツキノワグマの挿絵が描かれていた。
首には三日月型の白い斑紋。
私はすぐにその熊の名を覚えた。

熊はぬいぐるみとは違って、
力が強くて大きな爪や牙がある。
襲われると大変だということくらいは知っていた。
「熊にあったら死んだふりをする」のだ。
「でも、死んだふりをしても危ないらしいよ」
なんていう話も聞いたことがあった。
じゃあ、どうすればいい?
一目散に逃げようか?
でも早く走れるだろうか?
犬は逃げると追いかけてくるけれど、熊は?
小さい脳みそで私はぐるぐると猛スピードで考えた。
祖母の顔を見たが、どうやら気付いていない。
ここで熊のことを伝えたら、
驚いて腰を抜かしてしまうかもしれない。
とにかく考えなければ…。

そうだ、知らん顔をしよう。
騒いだらきっと襲われるから、黙っていよう。

そんなことをあれこれ考えているうちに、
ツキノワグマはずいぶん近くまで来た。
祖母と私は道の左側を歩いている。
私との距離はもう1.5メートルぐらいだろうか。
私はドキドキしながらつないだ手をぎゅっと握って、
ツキノワグマとすれ違った。

幸いツキノワグマの方も知らん顔をして、
のしっのしっと地面を踏みしめ通り過ぎた。
あー良かった。
私はそうっと振り返った。
ツキノワグマはT字路の突き当たりにさしかかり、
何の迷いもなく左へ曲がって行った。
駅の方へ…。

安心した私は、早速祖母に報告した。
「今、ツキノワグマが居たよ。あっちに曲がって行った」
祖母はちっとも驚かず、
「そーお?」とだけ軽く答えた。
全く驚きもせず、確かめに行く気配すらない。
信じてもらえなかったのだ。
もっと早く言えば良かった。

私はしばらく黙って歩きながら、
ツキノワグマが今頃どこを歩いているのか考えた。

投稿者 mamiko : 00:38

2004年07月11日

夏が来た

うちの斜め裏の家には、
初老のおじさんが1人、
サビ猫1匹と暮らしている。
その猫は外には出ないが、
ときどき2階の窓からこちらを見おろしている。

夜、網戸越しに、
「ポーンポンちゃんはーかっわいいな〜♪」
と、おじさんの歌声が聞こえてくる。
そう、猫の名はポンポンちゃん。
おじさん、なかなか良いセンスをしてる。

その歌の後、
「イタタタタ、イタタタタ!」
という声もよく聞こえる。
どうやらおじさんは、
可愛いポンポンちゃんをかまいすぎて、
すぐ囓られたり
引っ掻かれたりしてしまうらしい。

おじさんとポンポンちゃんの
そんなやり取りが聞こえてくると、
ああ、夏が来たなと思う。

投稿者 mamiko : 00:29

2004年06月30日

悪夢

寝室の天上から地引き網のように
蜘蛛の巣が何重にも垂れ下がっている。
ゴマ粒ほどの小さな蜘蛛がいっぱい。
私はこのままでは眠れないので、
必死に定規を振り回し、
取り払おうとしている。
けれども蜘蛛の網は弾力性があり、
なかなか切れない。

これは仕事の締め切り2日前に、
3時間仮眠したとき見た、
眠りたいけど眠れないという判りやすい夢。

それにしても猫たちは、
そんな私の傍らで好きなだけ眠りほうける。
あまりに幸せそうなので、つねりたくなる。

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しかしある日、
アトリエで眠っていたコゲが、
「ニャッ」と大きな声で叫んで起き、
周りをキョロキョロと見回したことがあった。
寝るために生きているみたいな猫も、
時には悪夢を見るらしい。

投稿者 mamiko : 00:09

2004年06月29日

達成感

締め切り日は、昨日だった。
しかし当日の朝には、
まだ最後のリノリウム(版木)を彫っていた。
夜の10時、仕上げたばかりの絵をバイク便に託し、
とうとう仕事終了。

短期間で大きな版画6枚。
刷り作業と着彩作業もあるので、
一日1枚ずつ彫らなければならなかった。
普段なら1枚彫るのに2〜3日はかかる。
こんなペースで版画を制作したことは今まで無い。
毎日カレンダーを睨みながら、
「本当にこれが終わる日が来るの?」と自分に訊く。
これはもう体力勝負。
途中で右腕が悲鳴を上げ、湿布を貼った。
中指には彫刻刀ダコ。
左手も版木をずっと押さえているため、
右よりも更に肩が凝る。
最後の方では左肩ビリビリとしびれだした。
少し前に「私の外付けエンジン」と称したドリンク剤は、
足りなくなって数本買い足した。
あんなに毎日飲んでいたのに、歯茎に口内炎が出来た。
ドリンク剤に多く含まれているビタミンB群は、
いったいどこへ…?

期待していたアドレナリンの分泌は、
5日目くらいに来たようだった。
その頃はちょっと楽しかった。
しかしそれを通り越し、
締め切り前日にもまだ終わっておらず、
ちょっと悲しくなって涙ぐんだ。
過労死したらどうしようかと不安になった。

でも終わった。
我ながらよく頑張った。
隣に住む父が仕事で5日間程マレーシアに行っていたが、
私はその間に近所のコンビニに一度行っただけだった。
それ以外は外出していない。
私がテレビを見られない間にサッカーユーロ2004は、
スペインもイタリアもドイツもクロアチアも
スウェーデンもデンマークも敗退してしまった。
サッカーの大会では、
当たり前だが優勝チームしか笑って終われない。
3位決定戦があると3位チームだけはにこやかに終われるが、
それ以外は悲しみのどん底みたいな顔をして敗退してゆく。
特に準優勝のチームは可哀想だ。

私は大仕事を終える度、
とてつもない達成感を味わい、
毎回優勝したみたいな気分になれる。
(写真は制作した版画の一枚)

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投稿者 mamiko : 00:07

2004年06月24日

外付けエンジン

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忙しくてどうしようもないとき、
登場するドリンク剤。
今、相当無理をしないと
締め切りに間に合わない仕事を抱え中。
というわけで、たくさん購入。
買うときにちょっと恥ずかしいのはなぜだろう。
もう少しデザインの可愛い物を作って欲しい。

私はこれらのドリンク剤を
「外付けエンジン」と呼んでいる。
これでかなりのパワーアップが期待できる。
睡眠不足、肩こり、腰痛、筋肉痛でも、
なんとか身体が動くから不思議だ。
(版画彫り作業が多いといろいろ痛くなる)
1本150円とか300円のもので充分。
タウリン1000mg配合というのが効く気がする。
タウリンって何だろう?
たしか猫用の缶詰にも入っていた。

あとはアドレナリンが分泌されれば、
気分も良くなり仕事は完璧。

投稿者 mamiko : 00:01

2004年06月18日

気になるコマーシャル

あるテレビコマーシャルを見ると、
いつも首を傾げてしまう。
商品は赤ちゃんの「紙おむつ」だ。

お母さんと幼児と赤ん坊が、
スーパーマーケットの棚の前にいて、
紙おむつを見ている。
お母さんが70枚入りのパックを
「安いからこっち」と手に取ると、
幼児が商品パッケージを指差しながら、
「69、70、80たす4!」と言う。
「え、84枚?意外と安いじゃない」
とその商品をカゴに入れるのだ。
ここで、一つ首を傾げる。
その商品は80+4枚と表示。
隣の別商品は70枚と書いてあるが、
幼児はどこを指差して「69」と言ったのか?

ここはまあいいとして、
問題はコマーシャルの最後だ。
よく、商品の応募マークを送ると
プレゼントが当たるという懸賞がある。
私は子供の頃、お菓子の懸賞で、
チョコがクルクル巻き付いたような
そのお菓子とがお揃い模様の
カラーペン5色セットが当たって嬉しかった。
しかしこのプレゼントは何と、
この紙おむつが1年分も当たる。
テレビ画面にも
山盛りの紙おむつパックが映っていた。
コマーシャルしている商品そのものだ。

消耗品だし確かに便利だろう。
でも何か間違っていないだろうか?
一年分の紙おむつはかなり嵩張り、
置く場所に困りそうだ。
赤ちゃんがもうすぐおむつ卒業だったら、
この先買わなくて済んでしまうかもしれない。
となると少子社会の中、
貴重な消費者を減らすわけだ。
プレゼントはせいぜい2パックくらいにして、
当選者を多く設定すれば、
愛用者も増え、良い宣伝効果になるのでは?

(後日談)
あまりにも不思議に思ったので、
このプレゼントについて調べてみた。
プレゼントは抽選で100名に当たる。
そして発送は1年分ではなく、
2ヶ月ごとに4パックずつ送ってくれる。
合計6回発送してくれるのだ。
これならそんなに嵩張らない。
そして、途中でサイズをMからLに
変更も可能と書いてあった。
なんて親切なのだろう。

投稿者 mamiko : 23:54

2004年06月14日

ホッチキス

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鋏をたくさん持っていると前に書いたが、
他にもたくさん持っている物を見つけた。
今時はステープラーというのだろうか。
なかなか使わないのに、
なぜかたくさん持っている。

あまり使わない証拠に、
机の中のホッチキス針の箱には、
「かたおか」と母の字で書いてある。
小学生の時から使っているのだ。
こんなに消耗しない消耗品も珍しい。
おかげでホッチキス針を
自分で購入したことがない。

その上、
祖母宅から未使用のホッチキス針が
出てきたので、私がもらった。
同じメーカーの「マックス針」だが、
さらにパッケージデザインが古い。
私の小学生時代のと比べると、
古い方はJISマークがないが、
デザインはちょっとオシャレだ。
箱の裏の説明書きに、
「マックス針は、良質な鋼材により、
厳正な管理の下に製作され、そのすぐれた品質は、
わが国全需要の80%を占めております」
とあるように、
何十年経っても大丈夫なようだ。
これで、多分もう一生
購入することはないだろう。

針は、あと1500回くらい
カチャンとやらないとなくならない。

投稿者 mamiko : 23:46

2004年06月08日

忠犬ハチ公

ニュースで忠犬ハチ公の特集をみた。
渋谷を歩くギャル系の子に、
レポーターが訊く。
「なぜあそこにハチ公像があるか、知っていますか?」
すると、
「えー?!なんでだろ、犬の原産地とかあ?」

原産地って…ハチ公は秋田犬である。
渋谷にはハチ公グッズがたくさんあり、売れている。
そして、ハチ公マークのソースというのが、
人気なのだとか。
でも知らない子もいるのか…有名な忠犬ハチ公物語。
映画もずいぶん前だったから、
しょうがないのだろう。

映画の「ハチ公物語」は、
テレビでチラッと観た程度だが、
とにかく可哀想でたまらなかった。
雨の日も雪の日もずっと待っていて、
しかも哀しげな表情だった。
ただただずっと待っているなんて、
犬は、なんて可哀想な生き物だと涙した。

猫ならそんなこと絶対にありえない。
帰りを待つことがあっても
せいぜい家の前くらいだし、
雨や雪の時は屋根の下に入る。
私がもし死んだ主人だったら、
雪の中で凍えられるより、
幸せでぬくぬく暮らしていてほしい。

忠犬ハチ公の年表を調べると面白い。
本名は「ハチ公」ではなく、ハチ。
ハチが待っていたご主人の上野博士は、
ハチとは1年4ヶ月しか暮らしていない。
その後ハチは、
事情があっていろいろな家に飼われながら、
10年以上渋谷駅で上野博士を待ち続けた。
時にはいじめられたり、ジャマにされたり、
よその犬に噛みつかれたり…、
そのため片耳が折れたままになった。
新聞に載ってからは皆に事情が伝わり、
とても可愛がられたそうだ。
ハチ公像は全国各地からの募金で建設された。
なんとハチは、昭和9年のハチ公像除幕式に
参加しているのだ。
ハチはすっかり人気者になった。
銅像が出来た1年後にフィラリアで死亡。
ハチの毛皮は剥製にされたが、
中身はちゃんと上野博士のお墓の傍らに葬られた。

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それはそうと、
そのニュースの特集を一緒に見ていた祖母が
横で呟いた。
「ハチ公、可愛かったわねー。ずっと待っていて」
えっ……!
私の中のハチ公は、歴史上の物語の犬だ。
桃太郎に出てくる犬とそう印象はかわらない。
しかし、祖母は当時千駄ヶ谷に住んでいて、
渋谷駅前にじっと待っているハチと
会ったことがある。

投稿者 mamiko : 23:36

2004年06月01日

鋏収集癖

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どうやら私は、
鋏収集癖があるらしい。
なんだかたくさんあるなと思い、
並べてみたら20もあった。
いつの間にか増えている。
この他にも植物用の鋏もあるし、
探したらまだ出てきそうだ。

小さな裁縫セットの中身は、
いつの間にか鋏だけ残る。
鋏の形が気に入ったために購入した、
ドイツ軍隊用裁縫セットもある。
ドイツの鋏は形がキレイだ。
以前旅行したときに
町の小さな鋏専門店で買い求めた物は、
糸切りハサミとして愛用している。
スイスのアーミーナイフはミニタイプだが、
ナイフ、マイナスドライバー、ヤスリ、
毛抜き、ボールペン、それに鋏が付いていた。
鋏がいちばん使うことが多そうだ。
ギザギザ鋏、彫金用鋏、布用小型鋏、
猫の爪切り用、眉毛整え用、
鼻毛用鋏は、先が丸くて可愛い。
写真の黒い鋏は、
セロテープを切っても
ベタベタが刃先に付かない優れものなので、
アトリエ用と住居用に2つ購入した。

一番大きな布用裁断鋏は、
小学校の家庭科裁縫セットに入っていた。
4年生の時、家庭科の授業中に、
先生にこの鋏で頭をガンと叩かれた。
裁断鋏は重い鉄の塊だ。
あまりの痛さに、
なぜ怒られたのかも憶えていない。
だいたい鋏で叩くなんて、
あの先生は頭がおかしい。
私はクラスで一番おとなしかったのに。
今でも根に持っているくらい痛かった。

投稿者 mamiko : 23:27

2004年05月27日

誤差

「寝室の電灯の傘に頭がぶつかる」
と夫が言い出した。
もしかしたら背が伸びたのでは?
ということになり、
早速家の柱で身長測定をしてみた。
そこには友人達が遊びに来たときに
なぜか身長の話で盛り上がり、
夜更けに身長測定した4人分の跡がある。

測ってみると、
その時の夫の身長の線より1cm以上高い。
驚いて、ついでに私も測ってみた。
私は元々背が低いので、
電灯に頭がぶつかることもないのだが...。
なんと、
私もそのときの線より1cmほど高かった。

ひゃー、
30過ぎてから夫婦揃って背が伸びた。
パスポートに書いた身長を書き直さなきゃ!
などと喜びつつ話していた。

しかし、
「身長は朝と夜で1cmくらい違う」
という話を思い出した。
そして、夜もう一度測定。
案の定、二人とも元の線の所だった。
ちょっとがっかり。

そして次の朝、
起き抜け一番にもう一度測定。
するとなんと、
二人とも夜の身長より2cmも高い。
なるほど.....
寝る子は育つってこういうことか。
普通に大人が眠っただけでも
こんなに違うのだから、
育ち盛りにたくさん眠れば、
その時間は縦に重力を受けずに
どんどん伸びるのだ。
私は子供の頃、
少食で、とても夜更かしだった。

身長を聞かれたときに答えていたのは、
夜の身長だった。
朝はそれよりプラス2cmなのだ。
公式身長は、
その真ん中を答えればいいだろうか...?
やはりパスポートの身長欄は、
書き直した方が良いだろうか?
悩むところ。

投稿者 mamiko : 23:20

2004年05月24日

パン子さん

祖母には若い頃、
“パン子”というあだ名があった。
当時はまだ日本にパン屋は少なかった。
パン子さんはとにかくパンが好きで、
パン屋の前は素通りできないのだ。

祖父はそれほどパン好きではなかったが、
一時期パン屋を経営した。
きっと祖母が喜ぶと思ったのだろう。
“ピーターパン”というパン屋。

その頃、小学生だった私は楽しかった。
遊びに行き、パン生地を少しもらい、
ウサギの顔のパンを作り焼いてもらった。
パン屋の社長夫人となったパン子さんは
人手が足りなくなると店に行き、
サンドイッチを作った。
そのサンドイッチはよく売れたらしい。
しかし経営は難しく、
そんなに長くは続かなかった。

その後祖母の家でみんなが集まったりすると、
よく一緒にサンドイッチを山ほどこしらえた。
私は祖母の作る鮭缶入りのサンドイッチが
大好きだ。

パン好きは遺伝する。
祖母は大きめのイギリスパンが好き。
母は砂糖がかかった甘いパンが好き。
私は基本中の基本、角食パンが好き。
遺伝ではないが、
チビトム(猫)も黒糖パンが好き。
みんなパン子さんなのだ。

今は美味しいパン屋がどこの街にもある。
祖母はパン屋に行くと、
店内をうきうきと歩き回る。
もうちょっとでスキップしそうな勢いだ。
そして一人暮らしとは思えないほど、
たくさんのパンを買う。

もしも若き日のパン子さんを連れてきたら、
どんな顔をするのだろう。
本当にスキップしてしまうかもしれない。

投稿者 mamiko : 23:16

2004年05月17日

南極へ行きたい

私の夢は、南極に行き、
海に浮かぶ雄大な白い壁を眺めながら
ペンギンたちと会うこと。

南極ツアーというのがある。
南米アルゼンチンの港から大型客船に乗り、
船で寝泊まりしながら南極に渡る。
天気の良い日は、
ペンギンやアザラシたちのいる諸島に
小型ボートで上陸してまわるという
ペンギン好きには夢のような楽しい旅。

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しかし、南極に行くには途中に、
吠える南緯40度と呼ばれる、
地獄のドレーク海峡がある。

ペンギン写真家・鎌倉文也さんに聞いたところ、
大揺れの度に客室のカーテンが、
シャー、シャーと移動するのだそうだ。
飲み物のグラスは背の低いどっしりした物。
それでも危ないので、
水で濡らした紙をコースターにする。
船酔いは勿論、
海が大荒れのときは歩くことも困難で、
転んだりぶつかったり、
食事時には卓上のスープが飛んできたりと、
負傷者もでるらしい。

それでも...
それを乗り越えさえすれば、
ペンギンたちがフリッパーを広げて(愛情表現)、
私を待っていてくれるはず。

投稿者 mamiko : 04:46

2004年05月15日

ペンギンファン

私が高校を卒業した春のこと。
ペンギンが好きだということを
皆に言ってまわっていた甲斐があり、
東京都恩賜上野動物園のペンギンの柵の中へ
入れてもらえるチャンスに恵まれた。

上野動物園の隣は東京芸術大学だ。
芸大生もよく絵を描く参考にするため、
動物の近くに入れてもらっているらしい。

私も美術系の学生ではあったが、
このときはどちらかというと、
好きなアイドルと近づけるみたいな
不純なドキドキ感だった。

飼育係の人から話を聞き、
まずは、小型のフンボルトペンギンと対面。
ウォーミングアップが済み、
次はキングペンギンたちがいる大きな柵内へ。

柵内には一羽、ひときわ目立つ
キングペンギンの子供がいた。
茶色の産毛に包まれた子ペンギンは、
フワフワ産毛の分、親たちより一回り大きい。
ぬいぐるみみたい!
私はつい興奮してしまい、
思わず初対面のフワフワペンギンに抱きついた。

ペンギンは驚いて、
私の顔をクチバシでカツンと突いた。

危ないところだった。
ちょっと開いたクチバシが、
私の片目の上と下(頬)を突いた。
ペンギンは臆病なので、
いきなり抱きつかれて怖かったのだそうだ。
いくら好きだからって、
抱きついたりして失礼なことをした。
私は少し流血しながらも、
そのペンギンと写真を撮ってもらった。

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(写真は私を突いた子ペンギン)

投稿者 mamiko : 04:43

2004年05月14日

類は友を

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ペンギン写真家・鎌倉文也さんと
知り合いになった。
きっかけは、やはりペンギン。

ある出版社の仕事で請求書を出した。
私はいつも請求書に、ペンギンのイラスト入りの
住所印と振込先印を押している。
それを担当編集者が鎌倉さんに見せたところ、
「このハンコを押した請求書が欲しい」
という話になった。
そこで、私は鎌倉様宛の
0円の請求書を書いて差し上げた。

ペンギン写真家は、
ペンギン愛好家であり、
ペンギングッズ収集家なのだ。
鎌倉さんは大好きなペンギンに会いに行っては、
写真を撮るという仕事をされている。

私は今、猫画で仕事しているけれど、
あまりペンギンは描いていない。
そろそろ仕事でもペンギン画に着手したい。

投稿者 mamiko : 04:40

2004年05月12日

「ペンギンのペンギン」

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高校生の時、書店の洋書コーナーで、
「ペンギンのペンギン」
という絵本を見つけた。

デニス・トラウトという哲学士が文を書き、
トム・カレンバーグというイラストレーターの絵。
特にデニスの経歴は不思議で、
ミネアポリスの劇場の支配人を経て、
食料品店で働きつつクラブでピアノを弾き、
この絵本を書いたときには、
建設会社でコンピュータープログラマーだという。
この日本語版絵本の出版から20年以上が経つ。
いったい今彼は、何をしているのだろう。

谷川俊太郎の訳がなんとも絶妙で、
これは今でも私の一番の愛読書だ。

一番好きなページは本のちょうど中ほどにある。
モノクロのページが多い中、
寝そべっているペンギンの頭から
カラーの吹き出しが出ていて、
小麦畑にペンギンがたたずんでいる。
そこに
「ペンギンは色つきの夢を見る。
くり返し浮かんでくる小麦畑のイメージ」
という文がついている。

その後英語版も買ったが、
出版社が「ペンギンブックス」というところが
気が利いていて嬉しい。

現在販売しているのは文庫版のみで、
これも友人にプレゼントされて持っている。

投稿者 mamiko : 04:30

2004年05月11日

ペンギン大好き

中学の体育祭のとき、
青組の応援合戦でペンギンの役をやった。
張りぼてのクチバシと羽を付け、
当時流行っていたビールのCM音楽に乗り、
ペンギン歩きで踊った。

それがきっかけかどうかはわからないが、
そのころからペンギンのことばかり気になり、
ペンギンのことばかり考えた。
写真集を何冊も手に入れた。
ペンギンの種類が載っている本。
生態がわかる本。
ペンギンが主人公の絵本。
ペンギンのいる動物園や水族館へ
何度も行った。

いつの間にか、
家にはペンギングッズがどんどん溢れた。
自分で買ったり、人にいただいたり。
安いオモチャから高級な舶来品まで、
いろいろある。
ペンギンたちは、
うちの居間のペンギン専用棚に
ひしめき合って並んでいる。
それでも入りきらず、
家のあちこちにペンギンがいる。

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投稿者 mamiko : 04:28

2004年05月05日

虫の知らせ

先日、睡眠中の夜中の3時に
電話の呼び鈴が1回だけ鳴った。
何?こんな時間にと思いつつ、
ウトウトとしてこんな夢を見た。

女の人に、
「Yさん(祖母の名字)ですか?」と訊ねられ、
「ハイそうです」と答えた。
夢の画面は明るく真っ白で、
その声は病院の看護婦さんだと思った。
それですぐに目が覚めた。

寝入りばなにほんの5秒くらい、
声だけの妙な夢。
祖母に何かあったのではと不安になった。

あくる日、祖母が怪我したことを聞いた。
前日に一人で外出中に転んで、
手と顔を強打した。
一人暮らしの祖母は、
転んだことを誰にも告げず、
病院にも行かなかった。

母が様子見に行くと、
顔の片側がアザで黒くなっていて、
片手はパンパンに腫れていた。
「大丈夫?」というFAXを送ると
「戦中戦後を生きてきたから、
こんなのは大したこと無い!」
というFAXが返ってきた。

私も昨日会いに行ってきたが、
やはり顔はすごいアザになっていて、
もし自分だったらしばらくショックで、
しょんぼりしてしまいそうだった。

祖母に夢でみたことを話すと、
「“虫の知らせ”ってあるのよねぇ」
と感心していた。

投稿者 mamiko : 05:21

2004年04月15日

どくだみ

祖母の家の庭で草むしりをした。
この時期は、
いろいろな草がどんどん生えてくる。
可愛い草は残しつつ、
伸びると厄介な草を抜く。
中でも「どくだみ」は特に厄介だ。
見た目はとても可愛い。
葉はハート形だし、
しばらくすれば十字形の白い花が咲く。
身体によいお茶にもなるようだが、
とにかくいくらでも生えてくる。
特に花壇の近くは丁寧に抜かないと、
どくだみに征服されてしまう。

「ゴキブリは1匹見たら100匹いると思え」
というのと同じく、
どくだみも1つ芽があったら、
かなりの量の根が土の中にひそんでいる。
根は一帯に張り巡らされている。
強く引っ張るとブチンと切れる。
芋蔓を抜くようにそっと引っ張り、
30センチくらいの長さが
切れずにヒュルヒュル抜けると、
何とも言えない快感を感じる。

その快感のせいか、
しゃがんで夢中になって抜いていた。
根っこの山がこんもりできたが、
ほんの50センチ四方しか進んでいない。
しかもまだまだ根はある。
いくら抜き取っても、
地下で枝分かれしてキリがない。
ハッと気付いて時計を見たら、
すでに1時間以上が経過していた。

投稿者 mamiko : 00:04

2004年04月12日

姪っ子

夫の実家がある大阪へ、
久しぶりに行ってきた。
両親の家で義兄家族と合流。
前に会ったときに、
歩いたり話したりが
始まったばかりだった姪っ子は、もう7歳。
折り紙を折ったり、
絵を描いたりするのが大好きで、
めっちゃ可愛い(関西弁風)。

彼女にとっては
初めて会ったおばちゃんに、
色鉛筆で似顔絵を描いてくれた。
くりくりとした澄んだ瞳で、
私の顔の部分部分をじっと見ては、
輪郭、髪型、眉毛、目…と描き進んでゆく。
びっくりするほど上手い。
とてもよく特徴をつかんでいる。
指輪やカーディガンのゴム編みの部分まで、
ちゃんと描いている。

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皆で外食に出かけた際、
自分の食事を終えた姪っ子は、
テーブルの調味料の容器の絵を
もくもくと描いていた。
彼女の行動を見ていると、
私の子供の頃ととてもよく似ている。

私は子供の頃、
母の職員旅行など大人の集まりに
よく連れられて行った。
そんなとき、
裏の白いチラシや包装紙と鉛筆を渡されれば、
部屋の隅で飽きることなく絵を描いたものだ。

姪っ子は将来の夢は
「人気のあるパン屋さん」だそうだ。
私の子供の頃の夢は、
「レストランのウェイトレスさん」だった。
今後どうなっていくのか、
ひとつ楽しみが増えた。

投稿者 mamiko : 00:00

2004年04月10日

147cmのつぶやき

一日外出しているうちに、
身長が2m以上ありそうな人を3人も
それぞれ別の場所で見かけた。
3つ集まるとなんだかラッキーな気がするのは
なぜだろう?
以前一日に3人松葉杖の人を見かけた時は、
ちょっと不安になったけれども。

保育園に通っていた頃は、
同期生の10人中9人が男の子だったので、
あまり自分が小さいということを
気にしたことがなかった。
毎日9人の男の子と楽しく遊んでいた。
卒園式には演劇で「おやゆび姫」をやった。
勿論主役。

私は小学校に入学した頃に
やっと1mを越した。
小学校では毎日のように背の順に並ぶ。
あっという間に
「まめこ」というあだ名がついた。

小学生のときにも
クラスのイベントで演劇をやった。
「7匹の子ヤギ」で、
柱時計の中に隠れてオオカミに食べられずにすむ、
一番小さな子ヤギの役。

いつでも学年一小さくて、
「チービ!」という言葉で、
ずいぶんといじめられたものだ。
今思うとなんてことないのだが、
その頃の私にとっては大問題だった。

大人たちは、
「今小さい人は後でぐんと伸びるのよ」
と、教えてくれた。
毎年きっちり5cmずつ伸びたが、
とうとう「ぐんと」伸びることがなく、
わりと早めに止まってしまってがっかりした。

少しばかり不便なこともあるが、
今はわりと気に入っている。
147cm。
ここまで小さければ、
153cmより思い切りが良い。
146cmの人と知り合ったら、
ちょっと悔しいかもしれない。

好きな言葉「山椒は小粒でもぴりりと辛い」
嫌いな言葉「大は小を兼ねる」

投稿者 mamiko : 23:04

2004年04月08日

しっぽ

「しっぽが欲しい」と夫が言った。
どんなしっぽかと聞くと
かっこいい人間用のしっぽだという。
えー、肌色なの?気持ち悪い。
じゃあ、私はシマリスのしっぽがいい。
フワフワでお布団代わりにできるやつ。
冬はしっぽを巻き付け温まり、
夏はしっぽでパタパタ扇ぐのだ。

子供の頃に家族4人でどこかの縁日に行った。
夜店にはいろんなオモチャや雑貨が並ぶ。
「あれが欲しい」
妹が目を輝かせて立ち止まった。
動物のしっぽをキーホルダーに仕立てた物だった。
しっぽは実物大くらいの大きさなので、
キーホルダーというより
鞄や服の腰辺りに付けるアクセサリーだ。
フェイクファーなどではなくて、
本毛皮のフサフサしたしっぽが並んでいた。

妹が指さしたのは、
茶色と黒の縞々のしっぽだった。
両親はどれどれと一緒に立ち止まる。
父が買ってあげようと財布を出した。
キーホルダーとしては少し高かったと思う。
そこで、店のおじさんが言った。
「これねぇ、子狸。捕まえるの、結構大変なんだよ」

その言葉を聞いた途端、
私の頭の中に子狸が飛び込んできた。
子狸はすばしっこく頭の中を駆け回る。
いや、逃げ回っているのだ。
一生懸命逃げて仲間達の所へ帰ろうと必死だ。
しかしそこへ猟師が現れて、
とうとう子狸は捕まってしまった。
そして容赦のない猟師は、
子狸のしっぽを根元から切り取った。
「キュインッ!」
子狸は飛び上がって猟師の手をすり抜け、
また逃げ出した。

もうダメである。
父が私にもお揃いのしっぽキーホルダーを
買ってくれようとどれが良いか聞こうとしたが、
私の目からは涙が止まらない。
自分がその子狸になってしまったように
悲しい気持ちになった。
大事なしっぽがもう無い…。
しっぽを切られた子狸が
頭の中を泣きながら駆け回る。

妹はご機嫌で、
しっぽをプラプラさせながら帰った。
私はメソメソ泣きながら帰った。
両親はとても複雑な顔をしていた。
しばらくの間、可哀想な子狸は、
私の頭の中を駆け回っていた。

きっと人間は羨ましいのだ。
人間にしっぽが付いていたら、
ファッションの幅がぐんと増えそうだ。
服には皆しっぽ用の穴が空いているのだ。
ミシンにはしっぽホールステッチ機能が
ついているだろうし、
冬場は手袋のようにしっぽカバーが、
オシャレのポイントになる。
しっぽリング、しっぽピアスなど、
アクセサリーもあるだろう。
しっぽで挨拶をしたり、
愛の告白をする国なんかもあるかもしれない。

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注意:写真は狸ではなく、コゲ(愛猫)のしっぽ。

投稿者 mamiko : 23:01

2004年04月02日

独り占めの桜

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窓を開けると目の前に桜。
幸せなことだ。

この桜はずいぶん根を張っていて、
私がここに住んでから、
二度も水道管を破って漏水させた。
水道水をゴクゴク飲んで、
どんどん大きくなったのだ。

この路地は昼間は私と猫だけになる。
千鳥ヶ淵や新宿御苑の桜は
毎日大勢の人に花を見られているが、
この桜は枯れるまでに何人の
花を見てもらうのだろう?

もったいないので、
私は毎日惜しむように凝視している。

投稿者 mamiko : 04:07

2004年04月01日

アトリエ・エックスガレージ

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1995年に共同アトリエを設立した。
元々一階は車庫、二階は賃貸住宅として
使われていた建物だ。
ここを親戚から安く借り、二階に私が住み、
一階をアトリエに改装した。
集まった四人は、
イラストレーターになったばかりの
夫と私(結婚前)と、
十歳年上の写真家二人。

各自30万円を用意した。
これで、トイレや暗室の水道、電気の配線、
電話取り付け、壁のペンキ塗り、
そしてシャッターの面に壁と入口のドアをつける
工事をまかなった。
メインテーブルは写真家の二人が作り、
夫と私で色を塗った。

当初、アトリエ内の調度品は
もらい物だらけだった。
友人、知人、親戚から、
捨てられそうなソファー、いらないFAX、
あまったタイルカーペット…。

そんな折、知人の会社社屋が、
山手通り拡張工事の為に取り壊されることになった。
そのビルからは様々なものをもらってきた。
ブラインド、エアコン、大きな本棚。
本棚はその建物に入っていた
文房具店のファイル陳列棚だった。
ビルの住居用の部屋からは、
キッチンセット(ガス台、シンク、戸棚)や
トイレまでいただいた。
そうそう、トイレの扉も。

キッチンはアトリエの二階の住居用にした。
ビルのオーナーが新調して間もなかった
システムキッチンも、
そっくりそのまま譲り受けた。
家にやってきたキッチンは、
料理好きな夫の元でふんだんに使われている。
アトリエのパーティでは、
料理好きの友人達によって、
その都度、何十人分もの料理が作り出された。
取り壊されそうだったキッチンも、
これならばきっと
“キッチン冥利”に尽きていることだろう。

アトリエ名のエックスガレージとは、
“元車庫”というそのままの意味だ。
時々住所を間違えたダイレクトメールで、
“エリックガーデン”とかいうのが来るが、
そんな洒落た名前ではない。
だいたいエリックって誰?

投稿者 mamiko : 04:04

想い出

元車庫であるアトリエは、
壁も床もコンクリート。
車2台分の車庫なので、
柱がなくてガランと広い。
そして私の実家の隣である。

小学生の頃、『エースをねらえ!』という
熱血テニスマンガのアニメが流行っていた。
妹と私は夢中になった。
両親に軟式用のテニスラケットを買って貰った。
その頃、このガレージハウスには
親戚夫婦が住んでいて
一階の車庫は誰も車を置いていなかった。

シャッターを開けるとそこは四角い箱。
私たち姉妹はラケットを握り、
毎日のように壁打ち練習をした。
ダブルスの壁打ち。
妹が居ないときは一人でもやった。
壁にはボールの跡がたくさん付いた。
暗くなると蛍光灯を点けて
手がかじかむまで特訓した。
結局、二人ともテニスプレーヤーにはならなかった。

投稿者 mamiko : 04:03

進化

ガレージの4方の壁のうち、
入り口の1面は全面がシャッターだったが、
薄い耐火ボードで壁を作って窓をとりつけた。
あとの壁はコンクリートだ。
冬場はかなり寒い。
夜中に仕事するほうが得意な私たちに、
その寒さはかなり堪えた。
エアコンもあまり効かず、
深夜になると床からシンシンと冷える。
エアコンと灯油ストーブ二台で乗り切っていたが、
気が付くと私は、
よく椅子の上に正座していた。

そのかわり夏場は桜の木の日陰になるので、
ちょっとは涼しい。
ところが猛暑だった初夏のある日、
とうとうエアコンが壊れてしまった。
汗だくでイラストを描いていると、
手の汗で紙が湿ってしまう。
これでは仕事にならない。
思い切って新しいエアコンを購入した。
夏は快適に。
そして次の冬はストーブがいらなくなった。
何のことはない、
エアコンの威力が進化していたのだ。
驚いた私たちは、
二階の住居の古い型のエアコンも新しく購入した。
アトリエも住居もそれだけでずいぶん快適になった。

アトリエを使い始めて9年が経った。
今ではタイルカーペットもブラインドも
FAXも仕事椅子も、もらい物を卒業した。

このアトリエは、私たちの自立度に伴い
ちょっとずつ進化していく。

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投稿者 mamiko : 03:58

2004年03月29日

テディベアフェスティバル

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先日テディベアフェスティバルに行った。
有名なメーカーと国内外の作家の
たくさんのテディベアが展示即売されている。
体育館のような広さの会場で行われていた。
ものすごい盛況ぶりなので、
どうしても人混みの中を泳がなくてはならない。

ただの人混みではない。
皆、テディベアを見る目が
ハートマークになった女性ばかりの人混みである。
作家もお客さんも
クマ柄の服やアクセサリーを身につけたり、
クマとお揃いのレースの服だったり、
クマを抱っこしていたり...、
年齢とそぐわない感じの(ごめんなさい!)
可愛らしい衣装の人がとても多い。
アニメフェスティバルにコスプレの人が
たくさんいるのと少し似ているかもしれない。

実を言うと私は特にテディベアファンではない。
ぬいぐるみはそれなりに好きだった。
けれども大人になってから
ぬいぐるみに名前をつけたことはない。
だからこの熱気は少し異様に感じる。

それでもお知らせが来ると
できる限り早めに行くようにしている。
私の目的は、国本雅之さんの作品だ。
国本さんのブースには、
モールで作る小さな小さな作品が並ぶ。
クマじゃない作品も時々ある。
とにかくとても小さくて、細かい。
私もかなり細かい作品を作る方だが、
これには「参りました!」と言うしかない。

国本さんのクマはとても人気があり、
初日の午後には殆ど売り切れてしまう。
本当はあれもこれも欲しいのだけれど、
毎回購入するのは1つまでと決めている。
そして一通りまわってみるのだが、
結局、国本さんの作品だけを購入して帰る。

小さくて精密
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私の作った20ミリの定規と並べてみた。
どのくらい小さくて精密かわかるだろうか。
写真を撮るのも一苦労の小ささである。
クマたちは寄りかからずに立っていることもできる。
この大きさにして、首も回るし、手足も動く。

良い仕事してますねえ...(溜息)

黒犬同士
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並べると私のコルク犬など
怪獣に見えてしまう。

投稿者 mamiko : 03:53

2004年03月27日

和三盆にはまる

先日、讃岐うどんを食べる旅に行った折、
土産物屋で和三盆を購入した。
和三盆とはサトウキビで作った
うんと細かい砂糖の粉を丹念に練って丸め
乾かした和菓子である。
讃岐地方の名物として雑誌に載っていたので、
ちょっと試してみようと思ったのだ。
思ったより高値なので、小さいのを一袋購入。

旅から帰って食べてみると、
口の中でしゅわーっと溶けた。
似たような干菓子は食べたことがある。
しかし、これは別格だった。
うどんだけじゃなかったのね!讃岐地方!

この甘さが癖になってしまった。
気が付けば、買ってきた物は食べてしまい、
すぐに調べて取り寄せていた。
他にも一軒、違うお店にも注文していた。

太るのを気にしつつも食べるこの甘い塊。
こそこそと食べたり、我慢しつつ食べたり。
とにかく魅惑の味。
和三盆....わさんぼん....ああ、ワサンボン。
とんでもない物にはまってしまった。

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投稿者 mamiko : 03:50

2004年03月24日

夜明けのハーメルンの笛吹

私は夜更かしである。
夜行性動物のように夜中に起きていることが多い。
そんな生活で困るのがゴミの日だ。
たいてい寝る前に出す。
就寝時間が早朝と呼ばれる時間だから、
ただ一番乗りに出しているだけかもしれない。
まだ朝日が昇る前に行くときはちょっと恐い。

しかし、いつの頃からだったか、
猫がゴミ捨てに同行するようになった。
うちの猫も近所の飼い猫も野良猫も、
夜中に外に出ている猫たちが次から次からついてくる。
多いときは5匹くらい。

猫たちはゴミを荒らすわけではない。
ついてくるとおやつを貰えるわけでもない。
何のメリットもないはずなのだ。

コゲ(愛猫♀)は一番についてくる。
ぴたっと寄り添うように速度を合わせて。
途中でよその家の垣根に入り
ちょっとだけ近道をするが、
ゴミ捨て場の角でまたひょっこり顔を出す。
他の猫たちも皆、小走りについてくる。
私がゴミを置いている間は、
それぞれ地面に転がったりして待つ。

そして家方向に歩き出すとまた、
皆いっせいにぞろぞろとついてくる。
ゴミが多いときに2往復すると、
やはり猫たちも2往復する。

近所の牛乳会社の倉庫の人は朝が早い。
この光景を見られるとちょっと恥ずかしい。
きっと猫を操るハーメルンの笛吹みたいに
見えると思うから。
中世のヨーロッパだったら、
魔女の疑いがかけられるかもしれない。

でもついてくるのは家の前までで、
家が見えると各自追いかけっこや毛繕いなど、
いつもの行動に戻る。
ようするに猫たちは暇なのだ。

投稿者 mamiko : 03:46

2004年03月20日

トイレに行きたくて探しまわる。
見つけると人が並んでいて、
しばらくしてやっと自分の番になる。
私がトイレに入ってドアを閉めると、
みるみるトイレの壁が無くなり、
広い体育館か、砂漠になってしまう。
白線で囲われたところに私はいるが
周りには人がいたりして慌てる。

これは私が繰り返しよく見る悪夢だ。

母が今、サマルカンドを旅行している。
シルクロードなどで知られる
ウズベキスタンの古都。
母は旅行会社から“大きめの折り畳み傘”を
持ってくるようにと言われたそうだ。
雨の為ではない。
砂漠などで青空トイレをするときの
目隠し壁になるのだそうだ。

それを聞いて、
絶対にそこには行けないと思った。
きっと素敵なところなんだろうけれど。

投稿者 mamiko : 17:31

2004年03月19日

だるまさんたち

今回の招き猫奉納所は
なぜかだるまさんがたくさんいる。

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だるまさんに挟まれた招き猫が
困っていた。

このだるまさんは
なんだかマトリョーシカ風。

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投稿者 mamiko : 17:26

2004年03月18日

こぢんまり招福殿

天気の良い午後、豪徳寺へ行った。
いつでもお寺のどこかを工事している。
招き猫のおかげかお金持ち寺なので、
また豪華なお堂でも
作っているのかもしれない。

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招き猫のお堂・招福殿内はこんな風。
ここは相変わらず、こぢんまり。

投稿者 mamiko : 17:22

2004年02月15日

ドラえもん

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89歳の祖母がドラえもんを買ってきた。
慣れ親しんだ駅前の生活雑貨店が、
閉店するときに買ったそうだ。
陶器製の貯金箱でかなり大きい。
それがいつも食卓にどーんと置いてある。

祖母はドラえもんのマンガを
見たことも読んだこともなかった。
「ドラえもんて何なの?」
「未来から来たロボットで、
ポケットから便利な道具をいろいろ出してくれるのよ」
テレビの放送を一緒に見たが、
いまいち意味がわからなかった様子。
でもあの姿が可愛いと言う。

私は子供の頃夢中で『ドラえもん』を読んだ。
35巻くらいまでは読んだと思う。
一番欲しかったのは「暗記パン」。
皆さんは憶えているだろうか?
形は食パンの6枚切りの1枚くらいなもので、
覚えたいページなんかにペタッと乗せる。
するとパンにそのページがコピーされて、
それを食べると暗記出来ちゃうという優れもの。
勉強が嫌いで食パン好きの私は、
あれが欲しくて欲しくてたまらなかった。

ドラえもんのポケットには、
他にも欲しい物がたくさんあった。
そういえば、閉店した駅前の生活雑貨店にも
いろんなものがあった。
目覚まし時計、鏡、鍋、ポット、熊手、肥料、
スリッパ、釘、合い鍵......。
「ないものはない」というのが、
お店の売り文句だった。

一人暮らしの祖母は、
出かけるときに、寝る前に、
「ドラちゃん頼んだよ!」と、
ドラえもんの頭をぽんっと叩く。
留守番みたいなものらしい。

投稿者 mamiko : 01:27

2004年02月11日

悩み事

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1年近く前から、
猫の他に金魚とドジョウが
アトリエに暮らしている。
金魚を飼うなんて、
まったく考えたことが無かったのに。
ある日突然家の前の電信柱の影に
置き去りにされた汚い水槽を発見。
“捨て金魚”である。
そして私はなぜか
綺麗なガラスの水槽を購入し、
毎日面倒をみたりしているのである。
いつでもヒラヒラ泳いでいて、
なかなか良い。
ドジョウも愛嬌のある顔をしている。

ただ最近の悩みは金魚とドジョウが
どんどん成長していることだ。
ドジョウなんて倍になっている。
水槽や水草などを買いに行く度に、
お店に泳ぐ小さい赤や青の
可愛い熱帯魚たちが気になる。
どうせ飼うなら、あれが良かった...。
世話や置く場所を考えて、
水槽は一つだけと決めているので、
この子達が居なくなったら
小さい綺麗な熱帯魚ちゃんを飼う!と決めた。

ところが数日前
新聞に「28歳の金魚がいる」と載っていて、
ああっ...と溜息をついた。

猫よりずっと長生きじゃないか....。
熱帯魚を飼うのはいつのことか。
そして、大きな金魚はどうも気持ちが悪い。
金魚が大きくならないようにする方法、
誰か知りませんか?

投稿者 mamiko : 01:14

2004年02月05日

招き猫の御利益

大吉のおみくじをもらった数日後、
友人たちを連れて再度訪れた。
ネコババで「大吉」というのもなんなので、
一応50円お賽銭しておいた。

家にずっとあった
招き猫1体を奉納所に納めた。
お疲れ様。

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(写真中央の招き猫)
並べてみたら他の猫達より鼻が大きく、
左右の目の大きさが違ってひどくブスに見えた。
同じ型の素焼きの猫に手描きで彩色しているので、
顔はそのときによって違うのだ。
この日小さめの招き猫を2体購入したら、
今回の猫たちは目が大きくて可愛い。

その日の夜...
疎遠になっていた友人から連絡があり、
猫雑誌の編集部を紹介してくれることになり、
すぐに猫版画の挿絵の仕事をいただく。

そのまた数日後に別の出版社からも連絡があり、
猫版画での仕事を依頼された。

見事に猫関係の仕事ばかり...御利益は本物である。

投稿者 mamiko : 15:51

後ろ姿

奉納所の後ろ側へ回り込むと、
招き猫達の後ろ姿に遭遇。
皆役目を終えた猫達である。
後ろ姿もどことなく凛々しい。

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それにしても招き猫発祥地は
全国のいたるところにある。
発祥といっても真似して
この姿を作った所が多いのだろうが、
猫が「おいでおいで」すると
福が来るだなんて、
なんてステキなのだろう。

投稿者 mamiko : 00:23

2004年02月04日

おみくじ

お堂の小さい窓を開け100円をお賽銭した。
そしてふと、隣の窓を開けてみたら
赤いおみくじ販売機があって、
その取り出し口におみくじが一つ...。

おみくじの代金は100円。
今100円お賽銭したし、
いいよね...とそれを“ネコババ”して開ける。

「大吉」
「このみくじにあたる人は、よろづつつまやかにして、
人を大切にして仕事に勉強すれば、家内幸せきわめてよろし」
「のぞみごとかなう」
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その頃ずっと仕事がなくて落ち込んでいた私は、
なんだかとてもご機嫌になった。
招き猫がくれた「大吉」は、
いかにも良いことがありそうだ。

投稿者 mamiko : 04:17

招き猫奉納所

招福殿を覗くと、
ひっそりと巨大な招き猫が左右に1体ずつ置かれ、
祭壇にも大小様々な招き猫たちが並んでいる。
壁に古そうな招き猫画も見える。

お堂の脇には招き猫の奉納所がある。
役目を終えたいろんな大きさの招き猫たちが並んでいる。
割れてしまい、紙に包まれた招き猫や、
たまに豪徳寺生まれではない招き猫も。

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投稿者 mamiko : 04:16

2004年02月03日

招き猫の絵馬

お堂への門をくぐると、
左横にはお地蔵様が一人、
右横に井戸と招き猫柄の絵馬の吊し場がある。

「クロの病気が治りますように」、
「たくさんの可愛い猫達と出会えますように」、
絵馬いっぱいに飼い猫の名前がズラズラ並んで、
10匹くらいのお願い事が書かれているものもある。
受験合格祈願もあるが、猫関係のお願い事が多く微笑ましい。

しかしある恋愛祈願の絵馬は、
相手の男性の名前が消して書き直してあった。
それにはお釈迦様も
さぞビックリされたことだろう。

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投稿者 mamiko : 04:15

豪徳寺招福殿

うちの近所の豪徳寺は、招き猫の発祥の地である。

他にも発祥の地というのはいくつもあるが、
幼い頃から慣れ親しんだ地元だということもあり、
ここの云われも
招き猫の風貌も可愛らしくて好きだ。
素焼きの真っ白猫に
金の鈴付きの赤い首紐が描かれている。

豪徳寺の招き猫の由来
-------
昔、豪徳寺は貧しいお寺であったそうです。
和尚さんがある日、
我が子のように愛していた猫に
「私の恩がわかるならば、何か果報を将来せよ」
と言い聞かせました。

その後のある夏、
鷹狩の帰りという56騎もの武士が門前の
猫に招かれた様が不審であったと
寺に訪ね入り休息を所望して来ました。
和尚が渋茶などを差し出していると、
天が忽ち曇り夕立になったとのことです。

武士は喜び、豪徳寺を菩提所とされました。
この武士が江州彦根の城主・井伊掃部頭直孝であり、
井伊家の菩提所とされたのです。
豪徳寺は一名『猫寺』とも呼ばれたそうです。
-------

住宅街の中にあるお寺の敷地はなかなか広い。
本堂を覗くと、金色の飾りがたくさん垂れ下がり
ものすごくギラギラしている。
それに比べて招き猫の招福殿は、
こぢんまりとした小さなお堂だ。
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投稿者 mamiko : 04:14

2004年01月28日

猫首輪

知り合いの家の猫たちに猫首輪を制作。
記録用にパチリ。
コゲ(愛猫♀)も新しいのが欲しいのか...。

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投稿者 mamiko : 03:03

猫の足音

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最初に一緒に暮らした猫は、
とても猫らしい猫だった。
絶対にドタドタなんて歩かない、
とても静かな猫だった。
なのに私は、
彼女のそっと階段を上ってくる足音で
夜中に目を覚ましたことがある。
子供の頃は眠りが浅かったのか、
そんな些細な音でも起きてしまった。
ここでは些細なことを気まぐれに書く。
聞こえても聞こえなくても
どちらでも良いようなことを。
“猫の足音”のような...。

投稿者 mamiko : 03:02

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