日記 猫の足音

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2004年05月12日

「ペンギンのペンギン」

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高校生の時、書店の洋書コーナーで、
「ペンギンのペンギン」
という絵本を見つけた。

デニス・トラウトという哲学士が文を書き、
トム・カレンバーグというイラストレーターの絵。
特にデニスの経歴は不思議で、
ミネアポリスの劇場の支配人を経て、
食料品店で働きつつクラブでピアノを弾き、
この絵本を書いたときには、
建設会社でコンピュータープログラマーだという。
この日本語版絵本の出版から20年以上が経つ。
いったい今彼は、何をしているのだろう。

谷川俊太郎の訳がなんとも絶妙で、
これは今でも私の一番の愛読書だ。

一番好きなページは本のちょうど中ほどにある。
モノクロのページが多い中、
寝そべっているペンギンの頭から
カラーの吹き出しが出ていて、
小麦畑にペンギンがたたずんでいる。
そこに
「ペンギンは色つきの夢を見る。
くり返し浮かんでくる小麦畑のイメージ」
という文がついている。

その後英語版も買ったが、
出版社が「ペンギンブックス」というところが
気が利いていて嬉しい。

現在販売しているのは文庫版のみで、
これも友人にプレゼントされて持っている。

投稿者 mamiko : 04:30

2004年05月11日

ペンギン大好き

中学の体育祭のとき、
青組の応援合戦でペンギンの役をやった。
張りぼてのクチバシと羽を付け、
当時流行っていたビールのCM音楽に乗り、
ペンギン歩きで踊った。

それがきっかけかどうかはわからないが、
そのころからペンギンのことばかり気になり、
ペンギンのことばかり考えた。
写真集を何冊も手に入れた。
ペンギンの種類が載っている本。
生態がわかる本。
ペンギンが主人公の絵本。
ペンギンのいる動物園や水族館へ
何度も行った。

いつの間にか、
家にはペンギングッズがどんどん溢れた。
自分で買ったり、人にいただいたり。
安いオモチャから高級な舶来品まで、
いろいろある。
ペンギンたちは、
うちの居間のペンギン専用棚に
ひしめき合って並んでいる。
それでも入りきらず、
家のあちこちにペンギンがいる。

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投稿者 mamiko : 04:28

2004年05月05日

虫の知らせ

先日、睡眠中の夜中の3時に
電話の呼び鈴が1回だけ鳴った。
何?こんな時間にと思いつつ、
ウトウトとしてこんな夢を見た。

女の人に、
「Yさん(祖母の名字)ですか?」と訊ねられ、
「ハイそうです」と答えた。
夢の画面は明るく真っ白で、
その声は病院の看護婦さんだと思った。
それですぐに目が覚めた。

寝入りばなにほんの5秒くらい、
声だけの妙な夢。
祖母に何かあったのではと不安になった。

あくる日、祖母が怪我したことを聞いた。
前日に一人で外出中に転んで、
手と顔を強打した。
一人暮らしの祖母は、
転んだことを誰にも告げず、
病院にも行かなかった。

母が様子見に行くと、
顔の片側がアザで黒くなっていて、
片手はパンパンに腫れていた。
「大丈夫?」というFAXを送ると
「戦中戦後を生きてきたから、
こんなのは大したこと無い!」
というFAXが返ってきた。

私も昨日会いに行ってきたが、
やはり顔はすごいアザになっていて、
もし自分だったらしばらくショックで、
しょんぼりしてしまいそうだった。

祖母に夢でみたことを話すと、
「“虫の知らせ”ってあるのよねぇ」
と感心していた。

投稿者 mamiko : 05:21

2004年04月15日

どくだみ

祖母の家の庭で草むしりをした。
この時期は、
いろいろな草がどんどん生えてくる。
可愛い草は残しつつ、
伸びると厄介な草を抜く。
中でも「どくだみ」は特に厄介だ。
見た目はとても可愛い。
葉はハート形だし、
しばらくすれば十字形の白い花が咲く。
身体によいお茶にもなるようだが、
とにかくいくらでも生えてくる。
特に花壇の近くは丁寧に抜かないと、
どくだみに征服されてしまう。

「ゴキブリは1匹見たら100匹いると思え」
というのと同じく、
どくだみも1つ芽があったら、
かなりの量の根が土の中にひそんでいる。
根は一帯に張り巡らされている。
強く引っ張るとブチンと切れる。
芋蔓を抜くようにそっと引っ張り、
30センチくらいの長さが
切れずにヒュルヒュル抜けると、
何とも言えない快感を感じる。

その快感のせいか、
しゃがんで夢中になって抜いていた。
根っこの山がこんもりできたが、
ほんの50センチ四方しか進んでいない。
しかもまだまだ根はある。
いくら抜き取っても、
地下で枝分かれしてキリがない。
ハッと気付いて時計を見たら、
すでに1時間以上が経過していた。

投稿者 mamiko : 00:04

2004年04月12日

姪っ子

夫の実家がある大阪へ、
久しぶりに行ってきた。
両親の家で義兄家族と合流。
前に会ったときに、
歩いたり話したりが
始まったばかりだった姪っ子は、もう7歳。
折り紙を折ったり、
絵を描いたりするのが大好きで、
めっちゃ可愛い(関西弁風)。

彼女にとっては
初めて会ったおばちゃんに、
色鉛筆で似顔絵を描いてくれた。
くりくりとした澄んだ瞳で、
私の顔の部分部分をじっと見ては、
輪郭、髪型、眉毛、目…と描き進んでゆく。
びっくりするほど上手い。
とてもよく特徴をつかんでいる。
指輪やカーディガンのゴム編みの部分まで、
ちゃんと描いている。

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皆で外食に出かけた際、
自分の食事を終えた姪っ子は、
テーブルの調味料の容器の絵を
もくもくと描いていた。
彼女の行動を見ていると、
私の子供の頃ととてもよく似ている。

私は子供の頃、
母の職員旅行など大人の集まりに
よく連れられて行った。
そんなとき、
裏の白いチラシや包装紙と鉛筆を渡されれば、
部屋の隅で飽きることなく絵を描いたものだ。

姪っ子は将来の夢は
「人気のあるパン屋さん」だそうだ。
私の子供の頃の夢は、
「レストランのウェイトレスさん」だった。
今後どうなっていくのか、
ひとつ楽しみが増えた。

投稿者 mamiko : 00:00

2004年04月10日

147cmのつぶやき

一日外出しているうちに、
身長が2m以上ありそうな人を3人も
それぞれ別の場所で見かけた。
3つ集まるとなんだかラッキーな気がするのは
なぜだろう?
以前一日に3人松葉杖の人を見かけた時は、
ちょっと不安になったけれども。

保育園に通っていた頃は、
同期生の10人中9人が男の子だったので、
あまり自分が小さいということを
気にしたことがなかった。
毎日9人の男の子と楽しく遊んでいた。
卒園式には演劇で「おやゆび姫」をやった。
勿論主役。

私は小学校に入学した頃に
やっと1mを越した。
小学校では毎日のように背の順に並ぶ。
あっという間に
「まめこ」というあだ名がついた。

小学生のときにも
クラスのイベントで演劇をやった。
「7匹の子ヤギ」で、
柱時計の中に隠れてオオカミに食べられずにすむ、
一番小さな子ヤギの役。

いつでも学年一小さくて、
「チービ!」という言葉で、
ずいぶんといじめられたものだ。
今思うとなんてことないのだが、
その頃の私にとっては大問題だった。

大人たちは、
「今小さい人は後でぐんと伸びるのよ」
と、教えてくれた。
毎年きっちり5cmずつ伸びたが、
とうとう「ぐんと」伸びることがなく、
わりと早めに止まってしまってがっかりした。

少しばかり不便なこともあるが、
今はわりと気に入っている。
147cm。
ここまで小さければ、
153cmより思い切りが良い。
146cmの人と知り合ったら、
ちょっと悔しいかもしれない。

好きな言葉「山椒は小粒でもぴりりと辛い」
嫌いな言葉「大は小を兼ねる」

投稿者 mamiko : 23:04

2004年04月08日

しっぽ

「しっぽが欲しい」と夫が言った。
どんなしっぽかと聞くと
かっこいい人間用のしっぽだという。
えー、肌色なの?気持ち悪い。
じゃあ、私はシマリスのしっぽがいい。
フワフワでお布団代わりにできるやつ。
冬はしっぽを巻き付け温まり、
夏はしっぽでパタパタ扇ぐのだ。

子供の頃に家族4人でどこかの縁日に行った。
夜店にはいろんなオモチャや雑貨が並ぶ。
「あれが欲しい」
妹が目を輝かせて立ち止まった。
動物のしっぽをキーホルダーに仕立てた物だった。
しっぽは実物大くらいの大きさなので、
キーホルダーというより
鞄や服の腰辺りに付けるアクセサリーだ。
フェイクファーなどではなくて、
本毛皮のフサフサしたしっぽが並んでいた。

妹が指さしたのは、
茶色と黒の縞々のしっぽだった。
両親はどれどれと一緒に立ち止まる。
父が買ってあげようと財布を出した。
キーホルダーとしては少し高かったと思う。
そこで、店のおじさんが言った。
「これねぇ、子狸。捕まえるの、結構大変なんだよ」

その言葉を聞いた途端、
私の頭の中に子狸が飛び込んできた。
子狸はすばしっこく頭の中を駆け回る。
いや、逃げ回っているのだ。
一生懸命逃げて仲間達の所へ帰ろうと必死だ。
しかしそこへ猟師が現れて、
とうとう子狸は捕まってしまった。
そして容赦のない猟師は、
子狸のしっぽを根元から切り取った。
「キュインッ!」
子狸は飛び上がって猟師の手をすり抜け、
また逃げ出した。

もうダメである。
父が私にもお揃いのしっぽキーホルダーを
買ってくれようとどれが良いか聞こうとしたが、
私の目からは涙が止まらない。
自分がその子狸になってしまったように
悲しい気持ちになった。
大事なしっぽがもう無い…。
しっぽを切られた子狸が
頭の中を泣きながら駆け回る。

妹はご機嫌で、
しっぽをプラプラさせながら帰った。
私はメソメソ泣きながら帰った。
両親はとても複雑な顔をしていた。
しばらくの間、可哀想な子狸は、
私の頭の中を駆け回っていた。

きっと人間は羨ましいのだ。
人間にしっぽが付いていたら、
ファッションの幅がぐんと増えそうだ。
服には皆しっぽ用の穴が空いているのだ。
ミシンにはしっぽホールステッチ機能が
ついているだろうし、
冬場は手袋のようにしっぽカバーが、
オシャレのポイントになる。
しっぽリング、しっぽピアスなど、
アクセサリーもあるだろう。
しっぽで挨拶をしたり、
愛の告白をする国なんかもあるかもしれない。

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注意:写真は狸ではなく、コゲ(愛猫)のしっぽ。

投稿者 mamiko : 23:01

2004年04月02日

独り占めの桜

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窓を開けると目の前に桜。
幸せなことだ。

この桜はずいぶん根を張っていて、
私がここに住んでから、
二度も水道管を破って漏水させた。
水道水をゴクゴク飲んで、
どんどん大きくなったのだ。

この路地は昼間は私と猫だけになる。
千鳥ヶ淵や新宿御苑の桜は
毎日大勢の人に花を見られているが、
この桜は枯れるまでに何人の
花を見てもらうのだろう?

もったいないので、
私は毎日惜しむように凝視している。

投稿者 mamiko : 04:07

2004年04月01日

アトリエ・エックスガレージ

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1995年に共同アトリエを設立した。
元々一階は車庫、二階は賃貸住宅として
使われていた建物だ。
ここを親戚から安く借り、二階に私が住み、
一階をアトリエに改装した。
集まった四人は、
イラストレーターになったばかりの
夫と私(結婚前)と、
十歳年上の写真家二人。

各自30万円を用意した。
これで、トイレや暗室の水道、電気の配線、
電話取り付け、壁のペンキ塗り、
そしてシャッターの面に壁と入口のドアをつける
工事をまかなった。
メインテーブルは写真家の二人が作り、
夫と私で色を塗った。

当初、アトリエ内の調度品は
もらい物だらけだった。
友人、知人、親戚から、
捨てられそうなソファー、いらないFAX、
あまったタイルカーペット…。

そんな折、知人の会社社屋が、
山手通り拡張工事の為に取り壊されることになった。
そのビルからは様々なものをもらってきた。
ブラインド、エアコン、大きな本棚。
本棚はその建物に入っていた
文房具店のファイル陳列棚だった。
ビルの住居用の部屋からは、
キッチンセット(ガス台、シンク、戸棚)や
トイレまでいただいた。
そうそう、トイレの扉も。

キッチンはアトリエの二階の住居用にした。
ビルのオーナーが新調して間もなかった
システムキッチンも、
そっくりそのまま譲り受けた。
家にやってきたキッチンは、
料理好きな夫の元でふんだんに使われている。
アトリエのパーティでは、
料理好きの友人達によって、
その都度、何十人分もの料理が作り出された。
取り壊されそうだったキッチンも、
これならばきっと
“キッチン冥利”に尽きていることだろう。

アトリエ名のエックスガレージとは、
“元車庫”というそのままの意味だ。
時々住所を間違えたダイレクトメールで、
“エリックガーデン”とかいうのが来るが、
そんな洒落た名前ではない。
だいたいエリックって誰?

投稿者 mamiko : 04:04

想い出

元車庫であるアトリエは、
壁も床もコンクリート。
車2台分の車庫なので、
柱がなくてガランと広い。
そして私の実家の隣である。

小学生の頃、『エースをねらえ!』という
熱血テニスマンガのアニメが流行っていた。
妹と私は夢中になった。
両親に軟式用のテニスラケットを買って貰った。
その頃、このガレージハウスには
親戚夫婦が住んでいて
一階の車庫は誰も車を置いていなかった。

シャッターを開けるとそこは四角い箱。
私たち姉妹はラケットを握り、
毎日のように壁打ち練習をした。
ダブルスの壁打ち。
妹が居ないときは一人でもやった。
壁にはボールの跡がたくさん付いた。
暗くなると蛍光灯を点けて
手がかじかむまで特訓した。
結局、二人ともテニスプレーヤーにはならなかった。

投稿者 mamiko : 04:03

進化

ガレージの4方の壁のうち、
入り口の1面は全面がシャッターだったが、
薄い耐火ボードで壁を作って窓をとりつけた。
あとの壁はコンクリートだ。
冬場はかなり寒い。
夜中に仕事するほうが得意な私たちに、
その寒さはかなり堪えた。
エアコンもあまり効かず、
深夜になると床からシンシンと冷える。
エアコンと灯油ストーブ二台で乗り切っていたが、
気が付くと私は、
よく椅子の上に正座していた。

そのかわり夏場は桜の木の日陰になるので、
ちょっとは涼しい。
ところが猛暑だった初夏のある日、
とうとうエアコンが壊れてしまった。
汗だくでイラストを描いていると、
手の汗で紙が湿ってしまう。
これでは仕事にならない。
思い切って新しいエアコンを購入した。
夏は快適に。
そして次の冬はストーブがいらなくなった。
何のことはない、
エアコンの威力が進化していたのだ。
驚いた私たちは、
二階の住居の古い型のエアコンも新しく購入した。
アトリエも住居もそれだけでずいぶん快適になった。

アトリエを使い始めて9年が経った。
今ではタイルカーペットもブラインドも
FAXも仕事椅子も、もらい物を卒業した。

このアトリエは、私たちの自立度に伴い
ちょっとずつ進化していく。

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投稿者 mamiko : 03:58

2004年03月29日

テディベアフェスティバル

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先日テディベアフェスティバルに行った。
有名なメーカーと国内外の作家の
たくさんのテディベアが展示即売されている。
体育館のような広さの会場で行われていた。
ものすごい盛況ぶりなので、
どうしても人混みの中を泳がなくてはならない。

ただの人混みではない。
皆、テディベアを見る目が
ハートマークになった女性ばかりの人混みである。
作家もお客さんも
クマ柄の服やアクセサリーを身につけたり、
クマとお揃いのレースの服だったり、
クマを抱っこしていたり...、
年齢とそぐわない感じの(ごめんなさい!)
可愛らしい衣装の人がとても多い。
アニメフェスティバルにコスプレの人が
たくさんいるのと少し似ているかもしれない。

実を言うと私は特にテディベアファンではない。
ぬいぐるみはそれなりに好きだった。
けれども大人になってから
ぬいぐるみに名前をつけたことはない。
だからこの熱気は少し異様に感じる。

それでもお知らせが来ると
できる限り早めに行くようにしている。
私の目的は、国本雅之さんの作品だ。
国本さんのブースには、
モールで作る小さな小さな作品が並ぶ。
クマじゃない作品も時々ある。
とにかくとても小さくて、細かい。
私もかなり細かい作品を作る方だが、
これには「参りました!」と言うしかない。

国本さんのクマはとても人気があり、
初日の午後には殆ど売り切れてしまう。
本当はあれもこれも欲しいのだけれど、
毎回購入するのは1つまでと決めている。
そして一通りまわってみるのだが、
結局、国本さんの作品だけを購入して帰る。

小さくて精密
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私の作った20ミリの定規と並べてみた。
どのくらい小さくて精密かわかるだろうか。
写真を撮るのも一苦労の小ささである。
クマたちは寄りかからずに立っていることもできる。
この大きさにして、首も回るし、手足も動く。

良い仕事してますねえ...(溜息)

黒犬同士
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並べると私のコルク犬など
怪獣に見えてしまう。

投稿者 mamiko : 03:53

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